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王と王子と狂気の悪魔 01話 by 森谷2011-04-18(Mon)

挿絵 王と王子と狂気の悪魔1
もけさんとリレー。4~5時間ぐらい。またやりたいね!
そして挿絵はリクエストで。自分で書いたのに舌の群れを忘れた。


written by もけ and 森谷 (リレー)


■ 王と息子と狂気の悪魔 第1話 ■


 願いを叶える悪魔。

 その噂が流れ始めたのは、他国の侵略が激化し国内のあちこちに不安が募り始めた頃だった。戦禍にさらされ荒廃したこの国での暮らしがよくなるのなら、悪魔に魂を売ってもいいという者も少なくなかったが、治安を守るため王はこれを厳しく禁じた。
 しかし禁止されていてもなお、悪魔を呼び出し、そして願いを叶えられた者が現れた。戦場で深く傷つき、二度と普通の生活をおくる事はできないであろうといわれた息子が全快したというのだ。
王は悪魔を呼び出した家族を厳しく罰した。皮肉ながら家族は以前よりも不幸になってしまったが、人々は暗に悪魔への期待を抱いていた。


 王宮の廊下を、王族の衣装に身を包んだ居丈高の獅子が歩いていた。
その額に王冠を頂き、冠にもまけず立派な鬣がその威厳のある相貌を飾っていた。
 獅子の王は王宮の地下深く、最奥の間を訪れていた。
暗く湿った空気の淀んだ間には、魔法陣が描かれ、四方に設置された燭台にはオドロオドロしい赤紫の火が灯っている。それは国中で語られている、悪魔を呼び出す術式だった。

「悪魔よ、我が呼び掛けに応じ、異界よりその姿を現わしたまえ
 我が願いを代償を以て叶え給え」

 王が高らかに宣言すると、怪しく輝く魔法陣から煙に似た、ぼやけた光がたちこめ、中から純白の毛皮を持った山羊の似姿が浮かび上がる。男性的な巨躯に歪曲した物々しい角、股間から伸びる男性器であるべきものは凶悪な蛇の姿をしていて、その体をしならせながら正しく別の生き物としてうごめいている。

王は、小さく息を飲む。悪魔について、ある程度は理解していたつもりであったが、やはりこうしてその巨体を目の前にすると、どうにも圧倒されてしまう。
それでも、自らも王であるという誇りからか、彼は内心の不安を隠し、王としての民の前に姿を表す時と同様の、威厳を持った表情を作る。
悪魔を相手に、自らの弱みなど見せるわけにはいかない。恐れや不安を表に出してしまった時こそ、選択を誤り、悪魔に対して弱みを見せてしまう結果となるのだ。
毅然とした態度で自らへと強い視線を向けてくる王を、悪魔は値踏みするかのように、その横に割れた瞳孔で眺める。足元からタテガミの先まで、値踏みするようにねっとりと視線を這わせた。
どうやら悪魔と向きあってもその威風堂々とした姿を崩さぬ獅子王の姿は、何か悪魔を満足させるものをもっていたらしい。悪魔は口元を小さく歪めると、地を這うような低い声で、王へと問いかける。

『願いを言うがよい』

ただ一言であるが、それは悪魔との契約を促す、魔性の誘惑である。そうして口にした願いを悪魔に叶えてもらい、そして代価を払わねばならない。
国を統べる王である自分が悪魔と契約を結べば、その彼に振りかかる代価次第で、国そのものが左右されかねないのだ。
彼は、悪魔の問い掛けに対して、一瞬だけ何かを考えるように、その表情に影を作る。だが、それもすぐに消えた。心の奥底で、自らの国民たちへと向けて謝罪をする。
ともすれば、その選択がそもそもの間違いであったのだろう。国あっての王だというのに、その国よりも自らの息子を優先してしまったのだから。
王は、ゆっくりと口を開く。

「我が息子を助けてくれ。ある日倒れてからと言うもの、目を覚まさず、いつまでもうなされ続けている。今ではやせ細り、このままでは命さえッ。……頼む」


『……』

 願いを聞いた悪魔の表情は、それを見た王には理解できなかった。
まるで、仕掛けたいたずらがうまくいったかのような。その威厳のある相貌からは想像しづらいにやりとした笑み。

『よかろう、願いを叶えよう。
 その願いに値する代償を差し出すならば』

 王は鎮痛な面持ちではあったが、もとより覚悟を決めていたその強い眼差しは崩さずに、声を響かせ、悪魔に答える。

「わかっている。
 私の命でも魂でも、持っていくがいい
 ただし、我が子がこの国を受け継ぐ事は――
 願いが叶えられた事だけはこの目で確かめさせてくれ」

『この私を疑うとは、我ら悪魔に対する礼儀を知らぬ王だ。
 だが、それもよかろう。
 お前に王子と、この国の行く末を心ゆくまで見せてやろう』

 悪魔は満足げに言う。
その笑みとは対称的な表情の王は笑う悪魔を正面に見据えながら、深く眠る息子の凄惨な姿を思い出していた。再び目を覚まし、この悪魔のものとは似ても似つかない柔らかい笑顔を取り戻してくれることを願って。

『さあて、ではまずお前のその立派な体でたっぷりと楽しませてもらおう』

悪魔の表情とは恐ろしいものだと思っていた。今まで見せていたいやらしい笑みが悪魔の顔なのだと。しかしそれは大きな間違いだった。
 あらためてこちらを見る悪魔の顔は、好奇や酔狂などのぼやけたものではなかった。そこにあるのは獲物を、極上の糧を欲する狂気の欲望を称える笑みだった。


(そうか……。私は悪魔の餌なのか……)

悪魔の表情を見据えながら、王はそれを悟った。自分が払う代償は、どうやらとてつもなく大きいらしい。だが、それで息子が助かるのならと、彼はいよいよ決意を固めた。

『それで良い。さあ、その体を差し出せ』

その決意が伝わったのであろうか。悪魔は満足げに笑うと、魔法陣の上に胡座をかいて座り、その股間で蠢く蛇を見せつけるようにしながら、王へと語りかける。
悪魔の口ぶりとその仕草で、まず自分が何をされるのか、彼も察したようであった。しかし命でも魂でも渡すと言ったのは、他でもない彼自身である。断る道理もない。

「分かった……」

やはりその行為への抵抗感は残っているのだろう。王は、先程までよりも小さな声で了承の意を示し、そして悪魔に命じられるがまま、その身を包む衣に手をかける。
王家の印章の縫い込まれたマントを外し、上質な布で織られた衣服やズボンを脱ぎ捨てる。柔らかな獣毛に包まれた、逞しい肉体が露になった。悪魔との契約に対する緊張や不安のせいか、その体はぎこちなく緊張し、僅かに汗ばんでいる。
しっとりと濡れた首筋や胸の毛皮に視線を這わせながら、悪魔は小さく舌なめずりをする。なるほど強い魂だけでなく、体の方までも一級品だ。これは楽しめるだろう。

『どうした? 何を躊躇う。もはやお前の体は我のもの。恥ずかしがることもなかろうに』
「く……」

最後にその股間を覆う布を残し、王は僅かに躊躇する様子を見せていた。当然と言えば当然の反応であろう。こうも屈辱的な事を強制されるなど、初めての経験のはずだ。
だが、それならば……、と悪魔は思案顔を浮かべる。もっと強い辱めを与えてやるのも面白そうだ。腰を覆う布と王冠だけを身につけ、童話に出てくる愚かな王のような姿をさらす彼へと、悪魔は手招きをした。

『そのままの姿で構わん。さあ、こちらへ来い』

屈辱に震える手で腰布を掴んでいた王は、そのままでも構わないという言葉に、その手を止め、悪魔を見る。そして、相手の招きに応じて、悪魔の座る魔法陣へと向けて歩き出した。
獣人の中でも、それなりに体格の大きい彼であるが、それでも悪魔の目の前まで近づけば、その体格差は歴然であった。股間から生える蛇は、獅子の腕と同等の太さを誇り、細い舌を口から出してチロチロと動かしながら、まるで獲物へと狙いを定めるかのように彼を見据えている。

『こうまで体を緊張させていては、王の威厳もあったものではないな。いや、王たる自分の身を投げ出し、国を捨て自身の息子の身を案じるお前は、もはや王ですらないか』

悪魔の言葉に、彼は言葉を詰まらせ、その体をよりいっそう緊張させた。言い返す言葉もない。まさに事実であった。わなわなと体を震わせながら、その言葉を受け止める彼を、悪魔はその太い腕で抱き寄せる。

――カラン……

雄々しいタテガミの上から、王冠が転げ落ち、床へと落ちた。王は何か未練を残すかのように、その王冠を目で追う。しかし、直後彼の目の前に近づけられた悪魔の顔に、その視線を奪われた。
一体何をするつもりなのかと、獅子はその表情を強ばらせる。その直後、彼の鼻面に、ねっとりとした生暖かい感触が走る。

「――ッ!?」

悪魔の舌であった。太く長いそれが、彼の鼻面を這い、そして口へと伸びる。
とうとう始まってしまったのかと、彼の胸の内に深い喪失感が芽生えていた。その行為への抵抗感から、口をきつく閉じ、悪魔の舌の口内への侵入を拒んでしまうが、そうすると牙の隙間から、まるで蜜のように甘い唾液が流れ込んでくる。
それはまるで麻薬であった。その甘露な味わいに、一瞬であるが嫌悪感さえも忘れてしまう。そして僅かにのどを動かし、唾液を少量飲み込んでしまうと、今度はこの状況にも関わらず、頭の片隅に僅かな幸福感が生まれ、それに付随して体が心地よい熱を帯びる。
これでは、いけない。彼はその感覚を恐怖した。自らの誇りを穢されたように感じ、そこから逃れようと、爪を手の平に食い込ませるように、強く拳を握った。
血が滴り、僅かに霞の掛かっていた頭が、痛みのおかげではっきりとしてくる。彼は、奪われそうになる意識をなんとか取り戻した。だが、彼の口から舌を引いた悪魔の表情は、何故か満足げに笑みを浮かべている。

『ただの接吻でこうも欲情しようとは、存外にはしたない王であったな』

悪魔が彼の股間を見下ろしている。そこでは、ペニスが硬く勃起し、腰布を内側から押し上げてテントを作っていた。

 王は自らの体の変化に動揺を隠せずにいた。威厳のあった顔は歪められながら、その原因である体の疼きに赤く染まっている。妻との睦事では自分が性感を覚えるのは自分の剛直のみであった。体全体をくすぐられるような”責められる”性感は初めてのことだ。悪魔の言葉が、燃える体に痛いほど突き刺さる。
 悪魔は満足気な笑みをそのままに、固く握られた王の手をとる。その手を開かせ、傷ついた手のひらに舌を押し付け、ぬるりと舐める。手にひときわ強く甘い刺激が走る。
王は目を見張った。手のひらの傷は、まるで悪魔の舌に舐め取られてしまった血と同じようになくなっていた。王の意志を現実へと引き戻していた痛みも消え、代わりに体をじわじわとあぶり続けているのと同じ心地よい熱が残る。

手のひらから口元を離した悪魔の視線が再び王の顔を睨める。口元に再び悪魔の長くぬめった舌が這い登ってくる。まだ口の中ではないのに、首元から顎を撫でる舌に先程の接吻以上の心地よさを感じて思わずもう一度拳を握ろうとした。
 しかし、じんじんとした熱が脈動する手は動かそうとする度に甘い疼きを生み、その拳に力を込めることは出来なくなっていた。体が快感のためにぼうっと浮き上がるようになる。口元を悪魔の舌先がちろちろとくすぐると、自然と顎から力が抜けて、魔性の甘露を纏う肉の侵入を許してしまった。

 悪魔の舌は、先程よりも長くなったように感じるほど、口内の隅々を撫でまわる。左右のあご骨の付け根あたりに舌がうねりながら唾液をなすりつけると、当然のように耐え難い疼きが頬骨に広がり、今度こそ口元を引き締めることは出来なくなった。
牙の一本一本を、左右交互に愛撫される間に自分の舌と悪魔の舌がこすれ合う。自分の舌の上に普段味わうことのない甘い味が残り、喉が自然とその甘露を飲み干そうと動く。しかし染み込んだ甘さは喉に垂れ落ちても舌から落ちていかない。失われることのない甘味の上から、悪魔の舌がさらに甘美な唾液を塗りつけていく。
 すでにどのぐらいの時間がたったかもわからなくなった。唐突に口内からずるりと舌が抜き取られる。
王は口元をだらしなく開き、そこから舌をはみ出させて荒い息を吐く。吐息には疼きに耐えかねる震えが含まれ、その瞳はもはや先程の威厳を保ってはいない。
 その姿を面白そうに見つめる悪魔は、すっかりとろけきった王の耳元へささやく。

『このような身勝手、おまけに淫乱な王を頂いたこの国の民には、
 悪魔の私でも同情してしまうぞ』

 王はびくんと体を震わせる。
先程までの心地よさそうな表情はひび割れ、羞恥、背徳、自己嫌悪の苦悩に痛めつけられている心の内を露呈していた。顔を歪めた王の耳元に、悪魔はそのまま柔らかい吐息を吐きかけている。吐息に含まれた湯気が王の耳の奥まで届き、その内側が僅かに湿り気を帯びてくると、じんとした熱はいよいよ王の頭の中にまで響き始める。

『お前の体は息子を助ける代償として差し出されたはずだが……
 楽しんでいるのはお前の方ではないか。
 お前の息子が、その浅ましい姿を見たらどう思うかな』

 すでに王は固い表情のまま、自然と体を震わせるようになっていた。
甘い快楽と背筋を這う後悔とがないまぜになってその魂を擦り上げ摩耗させる。王は必死に利かない体を抑圧しようとしている。その様子に悪魔はやはり嬉しそうに舌なめずりをする。その舌を苦しげな王の肩へ這わせる。
 すると、悪魔の舌はその口からずるりと抜け落ち、蛇か蛭のような外観で今までと同じようにズルズルと王の肉の上を這いずり始めた。悪魔の口元からはすでに新しい舌が頭をのぞかせ、その舌もすぐに口内より這い出て王の体にまとわりつく。
あとからあとから際限なく悪魔の口より産み落とされる舌の群れは、王の胸元から露になった毛皮を、下腹部に向けて広がっていく。毛皮の下に隠された小さな突起に触れた舌は、そのまま胸に留まり、きゅうっと突起に巻き付く。突起を中心に胸を恥ずかしい形に覆うと、肉を絞り屹立させた突起を、巻き付いていた先端がわざとらしく押しつぶし、れろんとその真ん中を横断する。

「ぁあうっ!」

 突起を刺激されると、王の口からたまりかねた声が漏れる。
震える体が這い回る舌と勝手に擦れて、体の芯がどんどん快感によって冒されていく。すでに両胸に舌が張り付いて交互に、あるいは同時になって突起を弾く度に頭の中がビーン、ビーンと痺れる。
 首筋に巻きつかれ、へそをほじられ、腕や脚の盛り上がった筋肉を撫で回される。その舌の一つ一つがたっぷりと粘液を絡ませ、その毛皮になすりつけて汚していく。粘液をなすりつけられた毛皮は、まるで快感を植えつけ、体を変質させた証のようにわずかに黒ずむ。
 舐め回す快感に耐えかね、王がその大きな体を振って悪魔の抱擁から逃れようとすると、それをまるで赤子のように抑えつけてその耳元に言う。

『お前は体も、その淫らな心に見合う変態だな』

 妻の体でしか性を知らず、奥手だった王に悪魔の言葉が深く突き刺さる。まだ性器すら触られていない。乳首や体を舌に愛撫されただけで、自分の体は発情期の雌のような反応を見せている。悪魔の言葉は王のプライドを引き裂いていくが、王はそれに反論する言葉を何一つ持ち合わせていない。ズタズタにされていく己のプライドをただ見ているしかなかった。


「ひぃっ、ん……ッ」

体に張り付く悪魔の舌は、性感帯となった彼の体を刺激し続け、そうやって蓄積されてゆく快感に、もはや喘ぎ声を我慢することさえもできなくなっていた。

「はっ、……ぅっ、がぁ……!」

悪魔の唾液で湿った体を震わせながら、王は目の前の胸板に腕を突っ張り、体をよじらせ、自分の体を抱く、悪魔の腕から逃れようとする。だが、もはや全身を覆う甘い刺激に、体は脱力し、体を離すどころか、気付けば悪魔の胸板に身を預けるようにもたれかかっている始末である。
頭の中では、悪魔から投げかけられた言葉が繰り返し何度も渦を巻き続け、自らの淫らな姿に対する嫌悪もあって、涙さえ流れそうになる。しかし体は言う事を聞いてくれない。また、頭の何処かでも、悪魔の胸板に体を預けることに、不思議な安堵感を抱いてしまう。
体中を這い回る舌の愛撫の快感が絶えず彼の体を襲い、悪魔に寄り添いながら、その体をビクリと震わせ、嬌声に交ざって甘い息が漏れた。
体が際限なく欲情してゆき、心までもがそれを受け入れそうになってしまうのだ。だが、同時に底なし沼にどこまでも沈んでいくかのような、ほの暗い恐怖を感じ、そしてその恐怖が、彼を正気に保っていた。

『ほう……』

悪魔が感心したように声を漏らす。悪魔の唾液を何度も飲まされ、悪魔の舌で体中を愛撫され、それでも表情は今だに羞恥や屈辱から来る嫌悪の表情を垣間見せている。
実際、彼はそれだけ気高く、輝くような強い魂を持った王なのであろう。その気高い魂が光を失い堕ちてゆく様は、何よりも彼を楽しませてくれる。
悪魔はニヤリとした笑みを浮かべながら、王の頭へと手を伸ばし、雄々しいタテガミを掴むと、その体を傾ける。王は、今度は何をされるのかと動揺している様子である。凛々しい獅子の顔は、丁度悪魔の股間へと運ばれ、その口元へと、蛇頭がグリグリと押し付けられた。

「んぐ……ッ?!」

それは悪魔の性器である。唾液の代わりに塩辛い先走りの液体を口から垂らす蛇が、王の口元へと押し付けられていた。もはや自らの舌を噛む力すら失った顎をこじ開け、その口内を犯そうとする。
王はその陵辱から逃れようともがくが、頭を押さえつける悪魔の手は、びくとも動くことはない。口内へと侵入する悪魔のペニスを拒む事も、それから逃れることも出来ない。

「ふぅ……、んむぅっ」

そして、王はついにその口でペニスへと奉仕を行うこととなった。嫌がるように舌を動かすと、ネコ科のざらついた舌が蛇鱗の表面を這う。
それに応じるように、蛇の口からは先走りの液体が溢れ、その塩辛い味が王の口内を穢していった。再度、心に穴が開くような喪失感を感じ、王は低く呻いた。
そんな王の姿を見下ろしながら、悪魔は相変わらずの笑みを作り、今度はその視線を、王の尻へと向けた。そこと股間のペニスだけは、今だ舌による愛撫すらも行われていない。
そろそろ、また新しい快楽を教えてやってもいいだろう。王のタテガミを掴んでいた悪魔の手が、背中を這いながら尻へと向かう。尻尾の付け根を弄ってやると、王の背筋がビクンと跳ねた。

『男根を貪りながら快感を感じているのか。淫らな王だ。だが、よく考えろ。このような淫らで下賎な王が、王子の命に見合った代償だと思うか?』

悪魔は王へと語りかけながら、その手を尻までもってゆき、指先で尻の割れ目を開くと、今まで性行為に使われた経験などまるでない、初々しいピンク色の肛門へと太い指先をあてがう。
肛門の表面を僅かに撫でるような刺激であるが、王はそれだけでくぐもった嬌声を上げ、ペニスからは先走りをこぼしていた。

『私が欲しているのは、気高く高貴な王だぞ』

つぷり、と悪魔の指先が、王の肛門を貫いた。慣らしもしていなかったはずが、すでにその中は腸液で濡れそぼり、悪魔が指先を動かせば、くちゅりと淫らな水音を発してしまう。

「あっ、ひぃぃいっ……!」

そして、まるで尻の中が溶けてしまっているかのような、これまで感じたことすら無い種類の快感に襲われ、王はまるで痴女のような情けない悲鳴を上げ、ついにそのペニスから精液を溢れさせていた。
ビクビクと震えるペニスから迸った精液は、悪魔の脚へとかかり、その白い毛皮にじっとりと染み込む。そして王は、射精を終えた脱力感に体を支配され、口からもペニスを吐き出し、悪魔の股間に顔をうずめたまま、ぐったりとしてしまう。
だが、悪魔が彼の肛門へと挿入した指先を動かすと、その脱力した体もビクビクと痙攣し、王の口からは掠れた嬌声が漏れる。悪魔はその痴態を見下ろしながら、これ見よがしに鼻で笑ってみせた。

『喘ぎ散らすしか脳のない男娼であれば、生憎だが掃いて捨てるほど持っているのでな』

その情けない背中に言い捨てると、まるで嗚咽するかのように、王の体が小刻みに震えているのが伝わってきた。もう心が折れてしまったのだろうか。意外に呆気ないものだ。
悪魔は一瞬そう考え、僅かに落胆したような表情を見せる。だが、それは間違っていたようだ。射るような視線を感じ、悪魔が再度王の顔を見下ろすと、そこには怒りに満ちた獅子の瞳が、雄山羊の顔を映していた。
なるほど見上げた心がけだと、悪魔は呆けたような表情を浮かべた後、その顔に意地の悪い笑みを浮かべる。なるほどこれなら、気を使わなくても勝手に耐えてくれそうだ。
バフォメットは王の体を抱き上げ、いわゆる対面座位の格好で自らの脚の上に座らせながら、その耳元へと囁く。

『お前が価値を失えば、王子の病も治ることはない。覚えておけ』


 悪魔は憎悪をむき出しにした王の表情をその鋭い視線で射る。王は鋭く見返しながらも、その実余裕のなさがありありと顔に出ていた。抱え上げて開かれた脚の付け根をぞろりと撫ぜられる。

「んあうっ…!」

先程まで王の口内を犯していた悪魔の生殖器だった。
舌が纏うものとちがい、塩辛く白濁とした粘液と王の唾液にまみれた蛇が、そのしなやかな体を巧みにうねらせて王のわずかに緩んだ肛門を刺激している。
刺激から逃れる術は、明らかになかった。体を向かい合わせにしっかりと密着されて抱えられている。大柄なバフォメットの脚に己の脚はめいいっぱいに開かれて座らされている。
蛇がずるりずるりと肛門を擦ると、その肉の入口がきゅうっと締まる。蛇が体をうねらせながら離れると緩み、またぬるりと撫ぜられて締まる。くり返しくり返し無理矢理動かされてしまうアナルからじわりと熱い腸液が漏れ、蛇から与えられるような直接的でない、ささやかな刺激で王の羞恥と快感をさらに高める。
 王の怒りの表情がその淫靡な感情によってみるみる塗り替えられていく。それでも歯を食いしばり、胸同士を押し付けている悪魔の雄山羊の頭を睨みつけて耐える。
睨まれた悪魔はその視線を嘲笑う。王の尻を嬲っている蛇根の頭をそのひくひくと蠢く肉穴に向けると、ぱくりと口を開かせる。中からそぞり出たのは細長い二股の舌だ。蛇の舌はそのまま肛門を押し伸ばして侵入する。

「あっ…!あひゃっ…!?」

はじめに入れられた指のように圧力で押し込まれるのではなく、肉をつるりとなでるだけで奥まで入り込んで中をかき回す感触に王はくすぐられたような驚きの声を上げる。ぎゅうぎゅうとした野太い指と違い、蛇の舌はいくら肛門を締め付けても、こそばゆい感触を少しも和らげずに与えてくる。肛門は王の意志を離れてくぱくぱと勝手に動き出す。
 肛門は刺激のために緩み、完全に閉じることが出来なくなっている。そのだらしなくひらいたまま息づく肛門から薄く蛇の舌が這い出し、二股に分かれた先端が一杯に開いて肛門をぱくりと開いた。
 すると、尻尾の付け根をいじりまわしていた舌が一本、その開ききった尻の穴に這い出してきてそのままひゅるりと体内に入り込む。

「あっ!?」

 舌は器用に王の体内でぐるりと向きを変える。
そして舌先を伸ばして、入り込んだ時に改めてきつく締まろうとした肛門の中から強制的に突き出る。きつく締め上げた尻を柔らかくざらついた肉がずるっと通る感触に、王は射精後も屹立し続けていた肉棒をひときわ張り詰めて震わせる。体内の舌はそのままくぽっくぽっと王の意志などお構いなしに肛門を開閉して王を高ぶらせる。
 尻を舌が内側から出入りする度にビクつくペニスを見て悪魔が笑う。

『おやおや、そんなに尻の穴がお気に入りか。
 性器より胸より、尻で感じる者が王とはおこがましいな
 ……とんだ雌猫だ』
「――ッ!!」

 悔しさに睨みあげようとした王の顔は、断続的に尻穴を出入りする舌の刺激であっさりと熱の篭る息を吐く呆けた表情へと歪められる。それでもなんとか悪魔を見上げると、悪魔はその口元に三度自らの口を合わせ、舌を送り込む。すでに完全に調教された王の舌は、侵入者を拒むどころかその甘味に引かれてその肉を絡ませる。
 しかし今回はいままでの接吻とは違った。侵入した舌は抵抗なく王の口の中へと流れ込み、口内と同じように甘い毒に冒され、弛緩した喉をするりと通り抜けて体の奥へと飲み込まれていく。

「んぐッ!?」

悪魔は口を合わせたまま、その指で喉を撫でる。
慌てて閉じようとした喉はそのぞわりとした刺激に負けて、ゾクゾクと悪魔の口から流れ込む舌の本流を抵抗出来ずに飲み下してしまう。驚くほどの量が王の体に流れ込み、それが終わると悪魔は王の口を解放する。
悪魔は意地の悪い笑みで今起きてしまった事態に青ざめている王に言う。

『さあ、私の舌がどんなものかはわかっているだろう?
 どれだけお前がよがり狂ってくれるものか、見物だな』

王の鍛えられた腹はぽっこりと小さく膨らみ、内側から押されて蠢いていた。


「んっ、ぐえぇ……ッ」

王は体内へと流し込まれた悪魔の舌を吐き出そうとするが、まるで意志を持っているかのように体内で蠢く舌は、彼の期待通りに動いてはくれなかった。
目尻に涙を貯めるほどに噎せ返ってみたところで、胃液すら吐き出すことは出来ず、それどころか舌は、彼の体のより奥へと潜り込んでゆく。
その下腹に出来ていた膨らみも、程なくして消えていた。それはつまり、彼の体内でバラバラに舌が移動したと言うことである。先程体中を舌で刺激されたように、今度は内側から至る所を刺激されるのだ。
加えて……。

「ひっ、あぁ……ッ」

蛇の舌による肛門の快楽で、彼はその体をビクビクと震わせ、ペニスからは不様に先走りを溢れさせる。二度目の絶頂も、そう遠くはないだろうと予感できた。
体を這う舌は、今も胸や首筋、玉袋をねっとりと刺激している。体の内側も外側も、悪魔の唾液で敏感になった体をこれでもかと刺激されているのだ。気が狂ってしまいそうだった。

「あがぁっ」

腸内の奥深くで、悪魔に飲み込まされた舌が蠢き、腸壁を舐め回す。そこから分泌される唾液が馴染むほどに、本来なら触覚すら無いであろう部分が、敏感な性感帯へと変化してゆくのだ。
同様に、胃も、食道も、腸内の至る所も、舌で弄られる快感に喘ぎ声が止まらない。休憩すらもなく、絶えず快感が背筋を走りぬけ、本当に頭がおかしくなりそうだ。
次第に悪魔の唾液は彼の体中へと拡散し、その終りの無い快楽の拷問の中で、ついには微妙に体が震えるだけで、内臓が微かに揺れるだけで、空気が肌を伝うだけで、これでもかと言う快感が襲ってくる。

「ひぃんっ……、ひぃッ、あぎぃ……ッ」

絶え間のない快感に襲われ、常人であればとうに気が狂っていたのだろうが、しかし王は耐え続けていた。彼が壊れれその価値を失えば、息子は目を覚まさない。皮肉にも、悪魔の囁いた意地悪な条件が、彼を繋ぎ止めていた。
だが、その満身創痍の表情を覗き込めば、どれだけギリギリで耐えているかも分かると言うものだ。悪魔は含み笑いを浮かべながら、王の顔を見下ろす。
顔の毛皮は涙と鼻水、そして悪魔の唾液に濡れ、半開きで荒い息を漏らす口からは、涎が垂れ流しになっている。威厳など欠片も残らず、もはや壊れているようにさえ見えた。だが、その目にだけは、息子を救うという決意の光が残っているのだ。
悪魔がこれまで見た中でも、肉親のためとは言え、ここまで耐え続ける者はいなかった。一国の王を務めるその魂の輝きは、確かに悪魔がこれまで堕落させてきた誰よりも美しいものであった。
しかしそれだけに、悪魔の嗜虐心をくすぐるのだ。どこまで耐え続けるか、息子のためにいつまで頑張り続けるか、そしてついに壊れる瞬間を、その目で見たい。

『随分と楽しそうだな。では、私もその淫らな尻で楽しませてもらうとしよう』

タテガミを掴んで顔を上げさせながら、今にも壊れてしまいそうな、疲弊しきった獅子の顔へと語りかける。彼はもう、返事をする余力などないのか、ただ喘ぎ声をあげながら、体の内外から伝わる快感に、耐え続けるばかりだ。
フン、と小さく鼻で笑うと、悪魔は股間から生える蛇をうねらせ、すっかり淫らになった王のアナルへと、その頭をあてがう。舌による前戯は終わり、ついには悪魔のペニスをその肛門でくわえ込んでもらうのだ。
悪魔は意地悪く笑いながら、挿入する前にもう一度王へと語りかける。

『いいか? 壊れるなよ。息子を救いたければな』

獅子は体を震わせながら小さく頷いた――ように見えた。悪魔の言葉の直後、緩みきった肛門へとう蛇の頭が潜り込み、そのまま獅子の腕とそう変わらない大きさの胴体までもが、うねうねと彼の体内へ潜り込んでゆく。その衝撃に、彼は絶叫を上げ、涎をこれまでとは比べ物にならぬ、悪魔のペニスによる刺激によがり狂う。

「あがぁぁあっ、ひあっ、ひぃっ、ぎぃぃいぁあああっ!!」

もはや苦痛による悲鳴と区別すら付かない咆哮であるが、彼は間違いなく快楽にその悲鳴を上げていた。長い蛇の胴体は、難なく彼の体内へと飲み込まれ、その腸内を滅茶苦茶に掻き回す。
その逞しい腹筋には、内側で蛇が蠢く様子がはっきりと浮き上がり、そのたびに王は体全体を震わせ、押し出されるように金切り声を上げた。
あまりにも巨大な快楽に、もはや苦痛との区別すら無い。硬く勃起したペニスからは、壊れた蛇口のように精液が溢れ出し、止まることなく悪魔の股間へと垂れ落ちては、そこを濡らしていた。

『そのような大声を上げては、この場所がバレてしまうぞ? 見られてもいいのか? お前が王の資格すらない淫らな男娼だと知られてしまうぞ?』

涎と鼻水と涙を撒き散らし、感じたことも無い強烈な快楽に悲鳴を上げ続ける王へ、悪魔はにやにやと笑いながら問いかける。だが、もはや言葉など理解できる状態にはないらしい。
頭を埋め尽くすような途方もない快楽の波に流されてしまわぬように、一握り残ったプライドと理性、そして息子への想いにしがみつき、耐え続けるだけで精一杯なのだ。

「ぎぃ――ッ! あっ、あがぁっ、ひ――ッ!!」

うねる蛇によって体内を掻き乱されながら、王は何か頼るものを求めてか、無意識の内に悪魔の体にしがみついていた。もはや思考することすらも出来ないのか、あれほど離れようとしていた忌まわしい雄山羊の体に、自らきつく抱きつき、痴女のように喘ぎ散らす。
蛇のザラザラとした鱗が腸壁を擦り上げ、そして突き破るような勢いでその頭をぶつける。悪魔自身はピストンすらすることもなく、汗ひとつ流さず獅子を見下ろしていた。


 バフォメットはその横長の瞳で冷静に獅子王の姿を観察していた。
すでに狂乱状態にある王の直腸を、悪魔の生殖器は念入りに犯していた。しかし少しづつ、気付かないほど少しづつその動きが細かく、ゆっくりとしたものになっていく。
王はすでに正常な知覚を失っていて自分や悪魔に起きるわずかばかりの変化になど気づかない。だが自分を陵辱している悪魔に抱きついてなんとか意識を保とうとしていた体に、耐え難い疼きが膨らんでくる。体の内と外を這いずり回り耐え難い快感は、ある程度悪魔の生殖器の鋭い責めによって鎮められていたのだ。
 気がついたときには蛇根の動きはゆっくりとしたグラインドに変わっていて、自分のすべての場所をつつき回る快感をさらに酷く、耐えられないものへと変えるだけの刺激になっていた。

 王は顔から涙と鼻水をしたたらせ、歪められた顔により一層のなさけない、悲痛なしわを刻む。しかし入念に開発され、今や体内すら逃げ場はない針のムシロのような快楽の地獄にどっぷりと浸かっている。もはや耐えられるはずがなかった。

「ふわっ……くぅ……うぅあっ、ああああぁぁぁ!!!」

王はついに、なぶるようにグラインドしていた蛇ペニスに、もどかしげにその腰を押し付け、振り乱しはじめてしまった。自ら激しく腰を上下させて、蛇の鱗と、植え付けられた舌が複雑にこすれあいながら腸壁をゴリゴリと押しつぶす快感に一際大きな嬌声をあげながら射精する。

ビュルッ ドプッ ビュク、ビュク、ビュク……

「ああああああ……」

 がくがくと震えながらうつむき、すでに焦点を失った瞳で口からヨダレとともに嗚咽を漏らす王の耳に、悪魔が愉悦の極まった声でささやく。

『……残念だったな。王よ。
 お前は今、自らの意志で堕ちたのだ。
 他のどんなものよりも、私の性器で快楽を享受することを願ったのだ』
「あっ……ああ、ああああああ……」

 悲惨なことに、射精を終えてわずかに正気を取り戻した王は、その言葉の一部始終を捉え、その意味もはっきりと理解した。自分が王族として生まれてよりずっと、心の内でその力の糧として共にあった志は、今粘液のような堕落と恥辱にまみれた価値のないものへと成り下がってしまっていた。
 王はそのまま力なくだらりと悪魔に身を預けてしまう。

『…だが忘れるなよ。お前がくだらぬ肉人形になどなったら
 お前の息子は、お前の望みのとおりにはならんぞ…?
 今までの苦労もすべて水の泡というわけだ…クックック』

 その言葉に操られるように、王の瞳に再び一点の光が戻る。
王は今や、悪魔との契約に、その言葉に操られるままに快楽地獄を耐え続けるだけの哀れな生き物へと変えられていた。


つづく
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