スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ととけも 弥富便所 by 森谷
励ましのレイプ by 森谷
シャオルーン×巨根馬 天井から吊るし上げ by 森谷
寅年おつかれ輪姦 by 森谷
レオシリーズ 拘束して傷めつけ中出し by 森谷
【グロ】ぎんぎつねシリーズ 妖怪化した金次郎襲来 by 森谷
【グロ】挿絵 バフォさん陵辱SS 02 by 森谷
挿絵 バフォさん陵辱SS 01 by 森谷
蜘蛛妖怪と虎と狼 by 森谷
SSの挿絵。原作SSは絵に付けられたそうで、絵→SS→絵という変換が起きている。
SS掲載の許可を頂きました。どうもありがとうございます。
SS元の挿絵原作の方も快諾くださったそうで、重ねてお礼申し上げます。
直接のお礼でなくて申し訳ありませんが……。
written by h
壁に走った亀裂から入り込む太陽のわずかな輝きだけが光源の薄暗い空間、朽ちかけた屋敷の屋根裏の一角で捕食は行われていた。
被捕食者は人狼の若い男だ。埃っぽい床に広げられた衣服の上に仰向けに寝かされて、片足を抱え上げられたまま、臀部を打ちつけられる衝撃に体を震わせていた。
毛皮の上からでもはっきりと見て取れる引きしまった体には、蜘蛛の糸がまるで彼を縛りつけるかのように、彼の灰色の毛並みの至る所に走っている。
「あっ、ぐ……ぅ、ううっ……はぁっ」
ズプッ ズプッ ズプッ ズプッ
白濁とした粘液をまとわせて体内を出入りする異物に、人狼の男に全身が蕩けるような快楽が走る。
その度に体積を増した彼の一物は震えながら、未だ褌に包まれた先端から雫を滲ませ、布地の色を変色させていく。
止めどなく襲いかかる快感の中で繋ぎ止めた彼の理性は、最後の抵抗とばかりに口を突いて出そうになる嬌声を押しとどめていた。
「…………」
それに対して、捕食者は人虎の大男だ。
一糸まとわぬ人虎の大男は声も発さず無表情のまま、人狼の男に比べ一周りは大きく、荒縄を束ねたような筋肉質な巨躯に見合った野太い肉槍で人狼の男を貫く。
感情を感じさせない、まるで絡繰り仕掛けのような無機質な動きでただひたすらに。
人狼へ突き出す腰の動きに合わせて、やや上気した呼吸が口から吐き出される。
差し込む太陽光に輝く大男の真っ赤な瞳だけが、彼の精神状態を物語るかのように狂気の光をたたえていた。
「ぐっ、がぁ……? ぐっ……うぁぁっ……! ぁああぁっ……!!」
ズップ ズッズッズッズッ
一定間隔で行われていた抽送運動が突如として加速を始めた。
それに合わせてさざ波のように緩やかだった快感が、より断続的でより強烈なものへとなっていく。
抑えきれない掠れた嬌声を上げて、人狼の男は全身を包む快楽に身を震わせた。
逃れようとしても、人虎の大男に押さえられた足はびくともせず、人狼の男は快楽に耐える苦しみと快楽に翻弄される悦びに表情を歪ませる。
その光景をやはり無表情に見下ろしながら、人虎の大男は吐く息をやや荒げて律動を速めていく。
腰使いも大きなものから小刻みなものへと変化していき、肉と肉が打ちつけ合う乾いた音と体液に塗れて濡れた水音が人狼の嬌声と絡み合い淫靡な不協和音を奏でた。
「が、ぁあ、あ……っ! あああっ!!」
狂おしいまでの快感に、人狼の男は焼き切れそうな理性が悲鳴を上げているのを感じながら、それでも抗えないで暴虐に身を委ねている内に、それは訪れた。
叩きつけられた人虎の腰が人狼に密着したままその動きを止め、人虎の大男はがふっ、と大きく息を吐きながら顔を仰け反らしたかと思うと、
「…………ッ!」
ドクンッ ドクン ドクン ドクン
奥深く埋め込んだ自分自身から遠慮なく欲望を解放した。
膨れ上がった亀頭から撒き散らされる白濁液に、人狼の男は大きく吠えた。
持ち上げられた足の付け根から覗く尾が、声に合わせてぶるっぶるっと痙攣する。
「あっ、ああっ、うああああっ!!」
ドクドクと脈打つ人虎の肉棒から勢いよく放たれる熱い濁流、それに伴い人狼の体に今まで以上の快感が走る。
人狼の男はまるで体の内側から肉も心も蝕まれるような錯覚さえ覚え――同時に、それは錯覚ではないと理解していた。
これは捕食だ、まぎれもなく彼は食われていた。
褌の中で痙攣しながら人狼の一物はどろどろと精液を吐き出し、赤い布地にまだら模様を描く。
だが奇妙なことに、その模様は数秒も待たずに、まるでそこに最初から何もなかったかのように元の赤に戻っていた。
その奇怪な現象の正体が、人狼の男の目には写っている。
もうどうすることもできないが、彼の瞳には確かに写っている。
それは蜘蛛だ。大きさは子どもの手のひら位のものから指先程度のものまで大小様々で、墨汁でも垂らしたかのように真っ黒な体を持つ蜘蛛だった。
人狼や人虎の周りをかさかさと這い回り、繰り広げられる一方的なまぐわいの果てに放たれた精に群がって、蜘蛛達は音もなくそれらをすすっていく。
それだけでも身の毛のよだつ様な光景だったが、それ以上におぞましいものがすぐそこに存在していることを人狼の男は知っていた。
人虎の大男の大きな体、その背後にゆらりと揺れている影がある。
人狼の目にも周囲の蜘蛛ほどはっきりと見えないが、それは確かに人間よりも巨大で醜悪な姿をした化け蜘蛛だった。
全ての始まりは刻を一刻ほどさかのぼる。
餅は餅屋、化け物退治には化け物を。
それは決して世間一般の常識ではないが、人間が圧倒的多数を占めるこの社会に生きる人外の者にとっては、人間達から信頼を勝ち取る手段の一つであった。
そしてその人狼の男は、旅をするためにその手段を忠実にこなしていた。
「街外れのお化け屋敷に蜘蛛の化生、か」
時刻はまだ太陽が昇りきったばかり。
昨日訪れたばかりの街の評判の茶屋の軒先で、人狼の男は買ったばかりの団子を咀嚼しながら瓦版に目を通していた。
珍しくもない安物の着流しに履き古してくたびれた草履、腰には刀を携え見るからに浪人といった出で立ち。
人間には分かり辛いが男前と評しても問題ない顔つきで、そんな彼が難しそうな表情で甘味を食す様は(ついでに尻尾をぱたぱたさせてるのは)どこか滑稽だった。
「事件発生からさほど日数も経ってないし……悪くない仕事だな」
そう呟く人狼が見ているのは、ほんの三日前に起きた化け物騒ぎの記事だ。
この街の外れにある古い屋敷を地主の依頼で取り壊す為に、街の大工が屋敷に足を踏み入れた所、巨大な蜘蛛の化け物と遭遇、大工の棟梁とその見習い二名が屋敷に取り残されたまま帰ってこない、というものだった。
人狼は各地を旅する流浪人で、同時に物の怪や化け物退治を引き受ける退魔士でもあり、訪れた街で時折発生する事件を見つけては、路銀稼ぎのために引き受けていた。
「ふむ……」
もごもごと咀嚼を続けながら、人狼の男は思案する。
人の立ち入らない場所に妖怪変化が現れるのは珍しいことではない。
大概は人も食わずにひっそりと暮らしている為に大して強い力も持たないので、こんな風に犠牲者が出るのは非常に珍しいことだったが、それでも人間三人を食らったところで大したものでもない。
強くなるのにも時間が必要となるので、たった三日程度では毛が生えた程度だろう。
剣の腕はともかく、化け物退治の腕はまだまだな自分でも問題ないだろう、そんな風に結論付けながら、人狼の男は串に刺さった最後の団子を頬ばった。
自分の考えがどんなに甘い物なのか、後々思い知らされることも知らずに。
「とりあえず、奉行所でもう少し話を聞いてから……んっ?」
念には念を入れて詳しい話を聞くかと、食べ終えた団子の串を適当に放り捨てて歩きだそうとした人狼の視界に、見覚えのある何かが写った。
振り向いた先の人通りに視線を巡らせる。
一瞬気のせいか、と視線を戻そうとした人狼の目に留まるのは、人通りの中でも一際大きい人影。
それは自分と同じ人型の獣妖、人間だらけの街の中ではかなり目立つ大柄な人虎だ。
露出の多いはっぴに股引姿で、大柄な見た目にふさわしくはっぴがはち切れんばかりの筋肉質な体付きから、人虎が肉体労働者であることがうかがえ知れた。
しかし、と人狼の男は思った。
人虎の知り合いがいないわけではないが、前方の大男は自分の知己ではない。
一体どこで見た覚えがあるのか、思案しているうちに人虎の大男と目があった。
「……!!」
瞬間、人狼の男は戦慄した。
虚ろな目、生気のない死人のような不気味な瞳に背中の体毛が逆立つ。
同時に閃くものがあり、素早く手にしていた瓦版に視線を落とすと、先ほどまで読んでいた記事に目を走らせる。
事件内容の記述のすぐ近くには、被害者の人相書きが添えられていた。
未だ帰らぬ大工の棟梁とその見習い二人を描いた三人分の人相書き、その中でも特に大きく描かれた棟梁の顔は――目の前の人虎と同じだった。
「待っ……! ……ちっ、どうする?」
人狼の制止の声に耳を貸さず、人虎がふらふらとした足取りで遠ざかって行く。
犠牲者であったはずの人虎が異常な様子で目の前に現れて、追うべきか追わざるべきか人狼の男はしばし躊躇した。
明らかに妖怪変化に憑かれ、操られている様子。
妖怪が何のために街中に人虎をうろつかせているのかは分からないが、死人のようにも見えても人虎はまだ生きているようだった。
このまま放置すれば、やがては生気を吸い尽くされて人虎は本物の死人と化すだろう。
「……見捨てるわけにもいかないか」
頭に浮かぶ様々な根拠のない疑念や推論よりも人命優先を取ると、半ば己に言い聞かせるように呟いて、人狼の男は人虎の大男を追うために駆け出した。
そして戦いは半刻もしないうちに終わった。
「なっ――?」
件の街外れのボロ屋敷、その前のちょっとした広場のようになった庭に、人狼の男の驚愕の声と共に澄んだ金属音が鳴り響いた。
真っ二つに断たれた刀――人狼にとっては頼み綱の、無銘ながらも強い霊力を宿した霊刀の刃先が、弧を描いて地面へと突き刺さる。
呆然と固まる人狼の男の眼前で、人虎の大男が霊刀を叩き割った腕を薙ぎ、そのまま人狼の男を吹っ飛ばす。
数度体を弾ませて、人狼の体が大地に転がった。
「ぐぅっ……! ぐ、ゴホッ、ハァハァ、くらえ……!」
すぐさま身を起して、人狼は体勢を立て直しながら懐に忍ばせていた紙切れを数枚を投げつける。
宙に放り投げられた紙切れは、本来なら空気に阻まれふわりと浮くだけ……のはずだった。
しかし紙切れは何の前触れもなく中空で動きを止め、その表面に描かれた幾何学的な文様を輝かせると、火の元がないにも関わらず紅く燃え上がり、焔の矢となって人虎の大男へと襲いかかる。
焔の矢が人虎に届くのを見届けることなく、人狼の男は街へ向けて駆け始めた。
頼りの霊刀がない今、決定的な攻撃手段を持たない自分では被害者達の二の舞だと、そう考えての逃げの一手だった。
後方から響き渡る人虎の、虎の咆哮とは似ても似つかぬ不気味な奇声を聞きながら、振りかえることなく全力で大地を蹴りながら一目散に走る。
故に彼は気付かない。人虎の大男が咆哮一つで焔を吹き飛ばしたことも、野獣の如き跳躍力で追い縋って来たことも、その口から蜘蛛の糸をはき出したことも。
数条の白い糸が、無防備な人狼の背中へと殺到する。
「――!?」
背後に迫る気配に気が付いた人狼の男が振り返り、自分を絡め取ろうと迫る糸から逃れようと慌てて跳躍する。
高く跳ぶ人狼を追い切れず次々と糸はその勢いを失っていく――人狼の男の片足を捉えた一本を除いて。
「くっ――がはっ!! ガフッ! ゲホッ!」
糸に跳躍を遮られ、重力のままに地面に叩きつけられて、今度は立ち上がることもできないまま人狼の男は苦痛の呻きをもらす。
その間にも、糸は人狼の体に幾重にも絡みつき拘束する。
(口から糸……だと)
混濁する意識の中、人虎の口から吐き出される糸に人狼は呆然とした。
たった三日で憑依した相手の肉体にまで変化が及ぶほど強力な化け物が相手では、勝ち目があるはずがない。
体を覆う糸が発する妖怪の邪気が全身を蝕み、抵抗する力も気力も奪われていくのを感じながら、人狼は楽観視した己が迂闊さと、この後自分の身に起こるであろう悪夢に恐怖するしかなかった。
そして物語は冒頭に戻る。
化け蜘蛛が棲み処にしていたのは、ボロ屋敷の屋根裏だった。
かつては物置としても使われていたらしいそこは広く埃にまみれていて、ところどころに張り巡らされた蜘蛛の糸がみずぼらしさを際立たせていた。
崩れかけた壁の亀裂から零れる日の光だけが光源の空間の片隅には、他所よりもひと際多くの糸達が集まった場所があり、その場所で人狼の"捕食"は行われていた。
身動きの取れぬ体に一方的に刻まれる凌辱の律動、その度に本来なら感じ得ない快楽に襲われる。
同性との性交経験などない人狼であったが、全身を侵す邪気に正常な感覚は奪われた彼は、痛みを感じることも許されないまま、人虎の陽根を受け入れさせられていた。
「……ぁ、はぁはぁ、く……そ……」
今まで生きてきて感じたことのない強烈な快感を、人狼の男は否定するように途切れ途切れの悪態を呟く。
流石に出したばかりだからか、蜘蛛に憑かれた人虎も動かないで荒い息を吐いていた。
だからといって、この状況を覆す術を人狼は持っていない。
出来ることと言ったら、この化け蜘蛛を討伐する誰かが来るのを祈りながらこの凌辱に耐え続けることだけだ。
しかしそれが長く続かない事も、人狼はおぼろげながら予感していた。
吐き出された人虎の精、未だ引き抜かれていない肉棒、そして体に纏いつく糸から、絶え間なく化け蜘蛛の邪気が自分の体を蝕んでいるのが分かる。
やがてこの邪気は己の理性をも呑みつくし、自分はただ蜘蛛に栄養を供給するだけの抜けがらと成り果てるだろう。
今まで何度も見てきた化け物の被害者達の末路、そこに自分も加わるのだ。
魑魅魍魎の類が栄養とするものは、その種類、個体ごとに異なっているのだが、この蜘蛛の妖怪には人の精気、それも性行為の最中に分泌する体液に含まれるものが無上のものだった。
人虎に憑く蜘蛛をずっと小さくしたような子蜘蛛達は、それを証明するように人狼や人虎の精液に群がっている。
しかしそれらはあっという間に吸い尽くされてしまい、それを見た化け蜘蛛は次なる行動に出た。
「はぁぅ、く……ぅん……!」
動きを止めていた人虎の大男は、化け蜘蛛の意のままに腰を引き、人狼の男から巨大な陰茎を引き抜いた。
その感覚に小さく嬌声をもらす人狼。穿たれた肉穴から、腹に溜る大量の精の一部がべちゃりと吐き出される。
それもすぐに子蜘蛛達が群がり、体毛を汚した白濁は後をわずかに残してなくなってしまう。
もちろんその光景は見ることができなかったが、臀部に群がる子蜘蛛の這いまわるおぞましい感触に人狼は身をよじる。
「うぁ……」
口を突く掠れた呻き、だが次の瞬間人狼はもっと大きな声を出すことになった。
肉棒を引き抜いた人虎は、子蜘蛛が人狼が漏らした精を吸い尽くすのを確認すると、抱えていた人狼の足をさらに高く掲げて両の腕でしっかりと人狼を固定する。
そしてそのまま、
「う、ぐあぁぁぁぁぁっ――!」
遠慮も容赦もなく人狼の菊座にむしゃぶりついた。
新たな侵略者が人虎の陰茎とはまた違う熱さと、遥かに柔軟で濡れた肉の感触を人狼の内部で主張する。
ぐちゅぐちゅじゅるじゅるといやらしい水音を立てて、人虎の大男は自身が吐き出したはずの精液を啜りあげた。
人虎の背後に"居る"化け蜘蛛が、餌にありつけた喜びを示すかのように闇よりも暗いその肢を蠢かせる。
「ひぃ、ひぃぁ、ぅぁぁっ……」
まだ自由が利く首を左右に振り人狼の男は吠える。
変化は舌にまで及んでいるのか、長い舌が肉棒よりもさらに奥深くまで侵入して暴れ回った。
一滴残らず精を吸い尽くそうと縦横無尽にその濡れてざらついた表面を人狼の中に擦りつける。
時折人狼の急所を刺激するのか、褌から零れ出た人狼の男性器はそのたびに先端から先走りを滴らせた。
先のどこかからくり仕掛けのような無機的な凌辱とは違う、貪欲に動き回る肉塊のまるで暴風雨のごとき苛烈な責めに、人狼は震える男性器に合わせるように口からも艶を帯びた呻きを漏らす。
責苦はそれから十分近く続き、ようやく終わりを迎えた。
突如動きを止める舌、ぐったりとしたまま小さく喘ぐ人狼がそれを意識する前に舌がゆっくりと引き抜かれ始める。
ズズッ ズズッ ズズズズッ
「――――!」
最後とばかりに念いりにこそいでいく肉塊。
もはや声は声にすらならず、尾の先端まで痺れるような絶頂に人狼の脳裏は真っ白に焼かれた。
自分自身に白濁をまき散らしながら痙攣する人狼。
その姿に、人虎の大男の顔に初めて感情らしいものが浮かべた――獲物を弄ぶ猫を連想させるような、残酷な笑みを。
再び人狼を床に降ろすと、人虎は人狼の足を押し広げながら覆いかぶさった。
いきり立った肉棒を突きたて、人狼の体に付着した精を舐めとりながら再び律動を開始した。
「……ぁ」
既に広がりきった人狼の体は、抵抗らしい抵抗もなくあっさりと人虎を受け入れてしまう。
その事実を無感動に受け入れながら、人狼は再び沸き起こる快感に身をゆだねた。
虚空を見上げる焦点の合わない瞳、理性の光も翳り、人狼は拒むことも忘れて与えられる快楽に身を震わせる。
頭の片隅で、思ったよりも遥かに早く己の命運が尽きることを予感しながら。
~終~
著者:hさん
許可を頂き掲載しております。無断での転載などはご遠慮下さい。
ソラトロボ レッド鬼畜陵辱 by もけ
痛いだけのレイプ表現です。あとおれにしてはソフト目です。
まるで骨の中に鉛を詰められてしまったかのような気分だった。爪先から耳の天辺まで、全身にその重さが圧し掛かっている。
固い木製の床に伏しながら、まともに動かすことも出来ぬ体に苛立ちつつレッドはそう思い浮かべた。顔を上げるだけにも時間がとられてしまう。
なんとか上体を起こし、重たい目蓋を少しずつ開いてゆくと、優しげなランプの灯りに照らされた部屋がグラグラと揺れていた。
いや、揺れているのは自分の瞳の方であると、時間が経つにつれて揺れの収まってゆく部屋の様子を見ながら彼はようやく気づく。
「ショコラ……、ここ、ッは――けほッ、うッ!!」
彼はその見覚えのない部屋を見回しながら、いつもの癖で宙へと問いかけるが、咳にその言葉を遮られる。ひどく息苦しい。のどが締め付けられるような不快感に、呼吸がまともに出来ない。
加えて、その問いかけへの返答もない。彼の声を拾うマイクも、気の強い妹からのナビゲートを伝えてくれる通信機は見当たりはしなかった。
右腕が何かを探すような手つきで、目の前にゆっくりと伸ばされる。ダハーカの操縦桿を握るときの動作であった。
霞に包まれた思考は今だに自分の置かれた状況と言うものを理解できていなかったが、それでも幾ばくかの不安を感じるには充分な材料が揃っていたらしい。
縋るように伸ばされた手は空を切るが、それが彼の中でのスイッチになったようであった。半分眠っているかのようにとろんとしていた瞳が、驚愕に見開かれる。
覚醒しきっていなかった頭から急速に霞が晴れてゆく。常に自分を助けてくれる存在から完全に隔離されてしまったと言う実感が彼を叩き起こしたのだ。
だが、今に限って言えば意識の回復も悪い方向へと働いてしまう。なんとか働くようになった頭が今の状況を理解しようと思考を始めるが、同時に無意識のうちに遮断されていた感覚が、意識の覚醒と同時に彼の体を襲っていた。
「あぁあああっ、あぁ……ッ! ――ッ、――!!」
左右の足に猛烈な痛みを感じる。レッドは全身を震わせながら悲鳴を上げようとするが、呼吸がまともにできず声が出ない。それどころか、全身をこわばらせ叫ぼうとするほどに意識が遠のいた。
異変に狼狽し震える両手をのど元へとやると、皮製の首輪が彼の細い首筋に食い込んでいた。それは命を奪うほどに呼吸を妨げはしなかったが、しかし激しい運動や大声を上げることを不可能にしている。
何とか首輪を外そうとはするが、手元が震えて金具を外すことは出来そうにもない。そしてそれを引きちぎるには、彼は非力すぎた。
小さな手が喉を掻き毟るように動き、その行動の成果は首輪の周りにうっすらと血が滲むというだけである。
狼狽し困惑する頭の中に残った一握りの理性を用いて、なんとか息を落ち着けるよう深呼吸しようとするが、両足から走る焼け付くような痛みがそれを妨害する。
レッドは瞳に涙を溜めながら、痛みを放つ足へと視線を向け、そして絶句した。
「ひッ……!」
喉の奥から掠れた悲鳴が漏れる。両足は足の甲を重ね合わせる形で鉄製の杭を突き刺され、床に縫いとめられていた。
すでにそれを突き刺されて時間が経っているのか、傷口から溢れた血液はどす黒く固まっている。すでに出血もなく、首輪と同様に直接命に関わることはなさそうではあるが、絶え間ない痛みに苦しめられる。
レッドは首輪を外すことを諦め、体を起こしその杭へと手を伸ばすが、少し動くたびに傷口から激痛が走る。体のどこかで筋肉が動くたび、杭を打たれた足が痛んだ。痛みに耐えてどうにか杭へと手を触れても、彼の細腕では深く打ちつけられた杭を少しも動かせはしなかった。
痛みによる消耗で求める空気の量は増えてゆくが、喉を締め付ける首輪がそれを許さない。再び頭に霞が掛かり始めていた。
判断力を失い、何でもいいからこの状況を打破する道具はないかと身の回りを両手でまさぐるが彼の手の届く範囲に置かれたものは何一つなく、そして喉を締め付ける首輪だけが彼が唯一身につけているものであった。
打開策もないまま、ひたすら恐怖だけが頭の中で膨れ上がってゆく。股の間に挟まれた尻尾によって隠れている股間では、玉袋と竿がきゅぅっと縮こまっていた。
苦しい。怖い。それだけに思考を支配され掠れた声で泣き始めそうにそのとき、彼の背後で扉の開く音が聞こえた。
「なんだ、起きてたのか」
そして聞こえてきたのは野太い男の声であった。レッドは今にも泣き出しそうに歪めた表情で振り返る。
そこにいたのは中年のネコヒトの男であった。ぼろぼろのズボンと汗と汚れの染みたランニングの姿は、シェットランドで働く鉱員たちと同じである。
小柄なレッドとは対照的に、筋骨隆々とした体つきと虎に似た顔つきを持つ大男である。虎は片手に握った酒瓶を煽ると、レッドへと向かって歩き出す。
距離が狭まるほどにきつい汗の匂いが鼻をついたが、今はその程度のことなど気にはならない。レッドは掠れる喉から言葉を搾り出す。
「た……、すけ……ッ」
『助けてくれ』。潰れた声で途切れ途切れに言った言葉であるが、相手の男にも充分理解できる範囲であった。だが、虎はレッドの言葉を無視して、いくつもの縫い傷が刻まれた彼の体へと大きな手をかぶせる。
その行動の意味が理解できずに困惑するレッドをよそに、虎は酒瓶を脇に置き口元を歪めながらレッドの体を撫で回す。
引き締まった尻を撫で、太ももをまさぐり、やがてその手は杭で打ち付けられた足へと辿り着く。生々しい傷口を見つめながら虎が口元をニタッと吊り上げた。その仕草に激しい不安を感じ、レッドは相手を制止するように手を伸ばすが、彼はレッドの意思などまるで興味がないかのごとく、その右足を鷲掴みにした。
「ぁ――ッ!!!!」
強く掴んだ足を力任せにぐりぐりと捻る。閉じかけていた傷口から血が滲み、その激痛にレッドが全身を震わせた。眉間にシワを寄せながら口をいっぱいに開くが、そこから出るのは掠れた息だけである。
床の上でのたうつように震えながら、レッドの頭では疑問ばかりが浮かぶ。なぜこの男はこんな酷いことをと、深く考えなくとも容易に想像がつきそうな事柄であるが、今の彼ではそれも難しかった。
まるで状況を飲み込めていない様子のレッドを見据え、虎は伏せられた耳元へと呆れたような口調で話しかける。
「酸素が足りなくて馬鹿になっちまったのか? なんでここにいるのか思い出せねぇのかよ」
レッドの頭を押さえつけ荒っぽい口調で問いかけながら、首輪の金具を外してその締め付けを緩める。
ようやく得られた開放感に笑みさえ浮かべながら、レッドは大きく息を吸い込んだ。動きの鈍っていた頭は、大量の酸素を取り入れて再びその活動を再開する。なぜ自分がここにいるのか、なぜこんな目に遭っているのか、自分自身へと問いかけた。
「て、めぇ……ッ」
その疑問の答えはすぐに浮かび上がった。レッドは震える声で怨嗟の言葉を吐く。ダハーカから降りたところを罠に嵌められ、この男に捕らえられた記憶が、頭の中で鮮明に思い起こされていた。
すぐにでも復讐を果たしてやろうとその目に怒りの炎が浮かぶが、しかし酸素を取り入れて思考力を取り戻した頭が、すぐさま『どうやって?』と疑問を投げかけてくる。
乗り手を失ったダハーカを、浮島から遥か下の雲海へと投げ捨てられるさまを見せ付けられた。護身用に使っていたスタンガンもなく非力な自分に対して、相手は大型犬の遺伝子を受け継いだ巨漢である。
その葛藤を察しているかのように、虎はいやらしい笑みを続けている。怒りと恐怖に体を震わせるレッドを見下ろしながら、ズボンのポケットへと片手を突っ込む。
「助けを呼ばれると厄介なんでな」
そう話しながら、透明の液体が入った小瓶を取り出す。コルク製の栓を口で挟んで引き抜くと、レッドの口を片手でこじ開ける。
その液体をどう使うつもりなのか、今なら充分に予想がつく。レッドは虎の手から逃れようと体を揺すり首を動かそうとするが、万力のような力で押さえつけられた顎はびくとも動かない。
悲鳴の一つでも上げたかったが、喉の締め付けが解かれたばかりの今では、まだ思うように声も出せない。
すべての抵抗は意味を成さず、小瓶はレッドの口の上で傾けられる。刺激臭を放つ透明の液体が、とぽとぽとレッドの口内へと注がれた。
「んぐぅ――!!!」
それと同時に虎はレッドのマズル掴み鼻を塞ぐ。喉の手前で溜まった液体は、肉が焼け爛れるかのような痛みを放った。
窒息に意識も遠のきかけた頃、ようやく彼はレッドの鼻面から手を離す。薄らいだ意識の中、彼は大きく息を吸い込むのを止めることができなかった。
「か、はぁ……ッ、あ゛あ゛ぁ……!!」
普段の快活な声とはまるで掛け離れた、壊れた蓄音機から発せられたかのような歪な声がレッドの口から漏れる。
喉の奥へと流れ込んだ液体が、まるで煮え滾った鉛を飲まされたかのような痛みを放っていた。声帯が焼け爛れてゆく。レッドの掠れた悲鳴は、徐々に人の声とさえ認識できぬ呻きへと変わり、そしてついにそれさえも消えた。
「――ッ!…… ッ!!?」
声が出ない。どんなに口を開いて大声を放とうとしても潰れた喉を息が通り抜け、焼けた爛れた声帯に例えようもない痛みが走るのみである。
だがレッドは、その事実を受け止めることができなかったのか、ひたすら口を開き、声を張り上げようとする。
頭の中には、叫ぶ言葉がいくらでも浮かび上がった。きっと自分の帰りを待っているはずの人々の名、どんなときも自分を守ってくれた愛機の名、そして救いを求めての言葉。
しかしどんなに強く思い浮かべようとも、それが声として彼の口から発せられることはもう2度となくない。強烈な喉の痛みを伴って掠れた息を吐き出すたびに、彼はそれを自覚してゆく。
「いい顔になったじゃねぇか」
絶望に染まってゆくレッドの顔を見下ろして楽しげに耳をピコピコ動かしながら虎が言う。
彼の顔には下卑た笑みが浮かんでいた。もはや抵抗の意欲さえ消えかかり震えるばかりのレッドの姿を見据えながら、その股間ではズボンに大きなふくらみが出来ている。
熱の篭もった生暖かい息が、虎の口から吐き出される。レッドへと向けられる表情は、苦痛に悶える様子を楽しむと言うものから、純粋にレッドの裸体への欲情へと変わっていた。
もはや何かを叫ぼうとするのもやめ、半開きのまま浅い呼吸を繰り返す口元に左手を置き、右手はレッドの足を貫通する杭を掴む。彼の細腕ではどうにもならなかったその杭であるが、虎が右腕の筋肉を隆起させ満身の力を込めると、少しずつではあるが杭が引き抜かれてゆく。
足を貫通した杭を動かされ、その痛みにレッドがビクビクと震えていた。その両目から涙を溢れさせ潤んだ視界に虎顔が映る。
欲情し息を荒げる男の表情は、嫌悪を感じる以前に恐怖の対象であった。捕食者を前に身動きの取れぬ獲物の気分である。
ただ恐怖だけが思考を覆い、気づけば彼は唯一残っているか弱い武器を相手へと向けていた。
「ッ、つぅ……!?」
レッドの顔を押さえつける左手に痛みを感じ、虎が声を漏らす。見れば、レッドは涙を流しながらそこへ喰らい付き、爪を立てていた。その二つが、獣の遺伝子を受け継ぐ者たちの最後の武器である。
レッドは鋭い牙を相手の左手に食い込ませ、両手の爪でその腕を掻き毟る。涙と鼻水を滲ませながら、半狂乱と言った様子での抵抗である。
虎は予測していなかった抵抗に、口をぽかんと開けて動きを止めた。しかし、困惑はすぐに怒りへと変換された。
「こっの野郎!!」
虎は大声で叫びながら左手を引くが、レッドはそれを喰らい付いて離さない。牙を突き立てられた手へと血が滲み、より深く牙が食い込むほどに痛みも増す。
自制心が強いとはいえぬ彼を激昂させるには充分すぎる反抗であった。虎は引いていた手を、今度は床へとめがけて振り下ろす。その手に喰らい付くレッドの頭も、鈍い音を立てて床へと打ちつけられた。
「――ッ、かひゅ……ッ」
脳を揺さぶられたのだろう。レッドは白目を剥き、体を痙攣させて体毛を逆立てた後、意識を失った。だが、それだけでは怒りは収まらない。レッドの足から引き抜かれかけていた杭へと、虎は再び手を伸ばす。
すでに中ほどまで浮き上がっていたこともあり、少し力を入れればあっさりと杭は引き抜かれ、足の傷口からは少量の血が漏れる。
彼は杭を掴んだ腕を大きく振り上げ、レッドの顔へと狙いを定めた。完全に頭へと血が上っていた。その後の楽しみの予定は思考から締め出され、今すぐ目の前の生意気な小僧を殺してやろうと、それだけが目的と化す。
そしてその杭が今まさに振り下ろされようとしたとき、この小さな家のドアの向こうから声が響く。
『おーい、いきなり大声出してどうしたんだ!?』
「あ、すまん、少し……!」
大声を出させまいとレッドの喉を潰してやったというのに、自分で大声を出して隣人からの注意を引いてしまうとは。虎は目を丸くして冷や汗を掻き、振り上げた手を小さく震わせる。
『おい、どうしたんだ!? 何かあったのか!?』
「……む、虫が出たんだよ! それも飛び切りでかいやつがな! 」
『虫!? くそ、駆除が済むまでは頼まれたっお前の家にゃあがんねぇよ!!』
「ああ、そうした方がいい! 何とか一匹潰したが破片が飛び散っちまった! 今掃除してるんだ!」
ドアの向こうからは、さも気分を害した様子で『うへぇ』と隣人の声が響き、それきり相手は去っていた。虎は額に溜まった冷や汗を腕でぬぐうと、視線をレッドへと戻す。
まだ意識は戻っていない様子であった。もし気絶しないまま隣人に声をかけられていたら、大変なことになっていたかもしれない。虎はほっとした様子で大きく息を吐く。レッドへの怒りはすっかり削がれてしまった。
だが、また爪を立てられても面倒だ。レッドの爪で掻き毟られた左腕の毛皮には、虎縞に混じって薄く血が滲んでいる。
彼は忌々しげに鼻を鳴らすと気絶したレッドを仰向けに寝かせ、万歳するような体勢でその両手を重ね合わさせる。足のときと同様だ。
右手に握ったままの杭をその手へと振り下ろす。激しい音は立たず、杭はさくりとレッドの両手を貫通して床に突き刺さった。
「――ッ」
細い体が小さく揺れる。失っていた意識は再び叩き起こされ、力なく開いた口から消え入りそうな吐息が漏れた。
もはや何も語ることの出来ぬ口がゆったりと動き、何かを話すような様子を見せる。
その言葉がどういったものだったか、本人にすらもう分かりはしなかった。最後の抵抗さえ失敗し、レッドは全てを諦めたかのように生気を欠いた瞳で、目の前の虎の顔を見上げる。
大きな手がレッドの肢体を這い、そのいやらしい動きへの嫌悪感に体が揺れるたび、虎が下品な笑みを浮かべる。
均整の取れた胴体を撫で、その体の所々に見える縫い傷を指先でなぞる。柔らかな毛皮の感触を手先で味わうたびに虎の股間が再び膨らんでゆく。
「ご開帳といくかぁ……」
ぎらぎらと目を血走らせ舌なめずりをしながら、虎はレッドの両太ももへと手を添える。腰を軽く浮かせるように持ち上げながら足を開くと、尻元の体毛の奥に初々しいピンク色の肛門が見つけられた。
本来の目的以外では一度も使われたことがないのだろう。キュッと締まっている可愛らしい穴を貫いたとき、レッドはどんな反応をするだろうか。
虎は鼻息を噴出しながら自分のズボンへと手をかける。汗が染みてわずかに湿ったズボンを下ろすと、一日かけてズボンの中で熟成された汗と恥垢の匂いが周囲に漂った。
そういった匂いを嗅ぐ機会は少なかったらしく、レッドがむせ返るように咳をした。鼻面が苦しげにヒクヒク動いている。
そんなに嫌がられては興奮が深まるばかりだと、虎は生唾を飲み込んだ。股間からは恥垢に塗れた赤黒い巨根がそそり立っている。
股間を隠すように丸め込まれた尻尾を掴み脇に逸らすと、レッドの腕ほどの大きさもあるそれを、ピンク色の秘肉へとあてがった。
「……」
そのまま腰を動かし、硬く閉じたその場所へと先端を強く押し付ける。すぐに痛みが発生することはなく、レッドは周囲に漂う強烈な雄の匂いに顔をしかめるばかりであった。
やがて、丸い亀頭が入り口をこじ開けその体内へと侵入を果たす。慣れないそこを強引に押し広げられる感覚に、レッドが大口を開けて荒い息を吐き出した。喉が潰れていなければ、さぞ大声で叫んでいたのだろう。
虎が腰を押し込み、より深くへと肉棒を挿入してゆくと、それに伴ってぶちぶちと嫌な音が伝わってくる。許容量以上に拡げられた肛門からは鮮血が溢れ、結合部から竿へと伝っている。
「……ッ!! ッ――!?」
「へへ、感じてるじゃねぇか」
涙を流しながら体をビクビクと痙攣させ、逃れようと腰をくねらせるレッドを見つめながら、彼は冗談めかしてそう言った。
味わったことのない痛みなので想像はつかなかったが、慣らしもしていない肛門へと異物を突き入れられるには、相当な苦痛を伴うようである。
レッドの股間で縮こまっているそれを片手で掴み、こねくり回すように扱うと、彼の体の痙攣がいっそう強くなる。どうやら力加減を間違えたらしいと虎が苦笑した。
「ん、ここまでか……」
肉棒を中ほどまで挿入した辺りで、虎はそう呟いて腰の動きを止める。どうやら今はそれ以上奥には入りそうにない。彼は軽く舌打ちをしながら腰を引く。
「よっ、……とぉっ」
「ッッッ!!」
そして小気味のよい掛け声とともに、再び腰をレッドの尻へと打ちつける。結合部から漏れる鮮血を撒き散らしながら、ピストンが始った。
これまで以上の痛みに、レッドが壊れたように口を動かしている。何かを拒否するときのジェスチャーのように顔を左右に振り、そのたびに涙と鼻水、そして血混じりの涎を振りまいた。
汗の染みたランニングに新たな染みを作りながら、虎は容赦なくピストンを続ける。激しい音を立てて腰が打ち付けられるたび、肉棒はより深くレッドの体内へと飲み込まれてゆく。
痛いほどに勃起した肉棒を、血に濡れた肛門がきつく締め上げる。血液に混じって腸内から分泌される粘液が、ぐちゅぐちゅと淫らな音を奏でた。その匂いを吸い込みながら、虎の興奮はより激しくなってゆく。
だがレッドからすれば、その行為は拷問以外の何者でもない。肉棒自身に宿る熱と肛門の裂傷で、まるで焼け火鉢を突き入れられたかのような感覚であった。
もはや己に降りかかった不条理を嘆く余裕も、目の前の男に憎悪を向ける気概さえなかった。ただひたすらに、潰れた喉で叫び続ける。
(痛いッ、痛い痛い痛い痛い痛い!!! もう噛まねぇし抵抗もしねぇ、だから、やめてくれぇ……ッ!)
だがその声は、もう二度と誰にも届くことはない。どんなに口を動かしても、相手はそこから意味を読み取ろうとする様子すらなく、ただ腰を揺するばかりだ。
ついに虎の肉棒は根元までレッドの体内へと収まり、臓物を圧迫するかのような存在感を放つ。勢い良く腰を打ち付けられるたびに、レッドの喉からは呻くような息遣いが漏れた。
(もう、やめてくれぇぇええ!! 頼むから、何でも言うとおりにするから!!! もう逆らわねぇ! いたっ、痛いぃい!!)
大きく開いた口からは息遣いだけがひゅぅひゅぅと虚しく漏れる。レッドの体へと突き刺された肉の杭は、内臓を蹂躙しつくそうとするかのように腸内で暴れまわる。
腸内から溢れる腸液も、突き入れられた肉棒の先端から漏れる先走りも、その圧倒的な対格差の前では気休めですらない。虎が快楽を貪り腰を揺するほどに、レッドは激しい苦痛に悶え続けた。
「チンコぶち込むたびに震えやがって、女とかわらねぇなぁ?」
随分と荒くなった息遣いを整えながら、レッドの耳元へと虎が話しかける。当然その言葉への返答はないが、元からそのつもりでかけた言葉であった。
背が低く体つきも華奢な彼がピストンのたびに悶える姿は、意味合いは違うながらもそれをイメージさせる。そして、そんなイメージと重なってしまうようなレッドの姿がどうしようもなく滑稽で、そしてたまらなく劣情を誘うのだ。
虎が鋭い牙を剥き出しにして笑みを浮かべる。激しいピストンを繰り返し、限界がすぐそこにまで近づいていた。
レッドの両太ももへと深く爪を立て、まるで殴りつけるかのような勢いで腰を打ち付ける。激しい音を立てて肉と肉がぶつかり合うたび、彼の爪は深く突き刺さりレッドの太ももの毛皮に血が滲む。
尻は痛みを通り越して、ジンジンと例えようもない熱だけが残っていた。腰を打ち付けられるたび骨の軋む感覚が背筋へと伝わってくる。尻の辺りの毛皮は猿のそれのように真っ赤に染まっていた。
(たすけて……)
「うおおおおっ……!!」
もはや泣き叫ぶ余力も失い虚ろな瞳を宙へと向けながら、レッドはもごもごと腰を動かした。その最後の言葉さえも踏みにじるかのように、虎は押し殺した声で叫ぶ。
――びゅるぅううううううううううっ!!
男のイチモツによってぐちゃぐちゃにかき回された腹の中へと、熱い液体が流れ込む。
男によって犯されあまつさえその精液を流し込まれてしまったという事実に対する嫌悪感は、もうなかった。
ただ、苦しみしか生まぬ行為にようやくの終了が訪れたと言う安堵に彼は大きく息を吐いた。全てを踏み躙られ、奪われ、彼は諦めるしかなかった。
(……)
随分と柔らかくなった肉棒が、血に塗れた肛門からずるりと引きずり出される。巨根で押し広げられめくれ上がった肛門から、血と精液の混じった淡い桃色の液体が漏れ出し、床に溜まった小さな血だまりへと垂れ落ちる。
レッドは気絶したかのように体を脱力させ、目蓋を閉じる。体中を痛みが包んでいたが、疲労はそれを上回り彼の感覚を鈍らせてゆく。虎の体が自分から離れたことさえ気づかぬほどに。
体は休息を求め、レッドの意識はまどろみの中へと吸い込まれてゆく。身を包む苦痛は雪のように溶けていた。出来ることなら、そのまま目を覚ましたくないのに……。
そんな全てを諦めてしまったかのような願いを残し、レッドはついに意識を途切れさせようとする。だが、どんな些細なものであろうとも、希望を持つことなど許されてはいなかった。
「――ふぅ、ッ!?」
半開きのまま真上に向けられていた口の中に、冷たい鉄で出来た異物がねじ込まれる。それが何であるか理解する前に、実演が行われていた。
虎の左手へと深く食い込ませていた上顎の牙を、鉄の塊ががっちりと挟み込み、そしてそのままねじるような動きで引っ張る。獣にとっての最後の武器であるそれは、意外なほどにあっさりと引き抜かれる。
(え……)
レッドはぽかんと口を開け、呆然とした様子で目の前の異物を眺める。虎の大きな手がペンチを掴んでいる。そしてそのペンチには、血の滴る牙が挟まれていた。
だいぶ活動の鈍ってしまった頭が、数秒かけてそれが何であるかを理解する。そしてレッドは、まるで生気を失ってしまった瞳で少しの間それを眺めた後、口の中に溜まった血を吐き出した。
「なんだ? 急に黙りやがってよ」
そのつまらない反応を見せ付けられ、虎が苛立ちを隠さぬ声で呟く。レッドの反応を確かめるようにその鼻面を殴りつけるが、淀んだ瞳が虚空を見上げるのみで、これといった反応は返らない。
虎はさらに苛立ちを強めた様子であったが、レッドがそうなるように仕向けたのもまた彼である。次々と希望を奪われ痛みで踏み躙られれるうちに、
絶望が彼の思考を満たしていた。
涙さえ枯れ果てた瞳はもう何も見てはおらず、怯えるように伏せられた耳はもう何も聞こうとはしていない。先ほどまでとはまるで違うその反応が理解できず、虎はレッドの口へと再びペンチをねじ込んだ。
今度は奥歯を強く挟み、牙と同様に力強く引き抜いた。レッドは一瞬だけ体を震わせるが、しかしもう先ほどまでのように泣き叫ぶことはない。何度試してもその反応は変わらなかった。
レッドはまばらに牙の残る口を半開きにして、歯茎から溢れる血を吐き出す。虎はその様子を見つめながら忌々しげに唸り、ペンチを足元へ投げ捨てた。
彼はそこまで頭が回る方ではない。難しい顔で暫く唸った後、レッドの変化に対して『この程度の痛めつけ方では慣れてしまったのだろう』と、結論をつけた。
そうなれば、やるべきことは一つである。再び意識を失いかけていたレッドを殴りつけ叩き起こすと、彼を強姦したときのように股を開かせる。
だが今度は先ほどのようにその華奢な体に覆いかぶさったりはしない。代わりに、巨根で掻き回され閉じきらぬまま精液を垂れ流す肛門へと、太い指をねじ込んだ。
「スカしてんのも今のうちだぞ?」
緩んだ肛門へと突き入れた人差し指と中指を、中の様子を確認するように動かす。腸内に残った精液をかき混ぜ、くちゅくちゅと音を鳴らす。
それだけの動きであれば対して痛みを伴うものではない。レッドは虚空を見つめたまま何の反応も示さなかった。だが、虎は一度指を引き抜くと、今度は5本の指を全て束ねるようにして、めくれ上がった肛門へと押し付ける。
その指先が少しねじ込まれるだけで、レッドの肛門はシワが一つも残らないほどに拡げられていた。限界まで張り詰めていることは誰の眼にも明らかである。これ以上奥へと押し込めばどうなるかも。
「――ッ」
ほとんど反応を失っていたレッドが、虎の手から逃れようとするかのように腰を動かした。ようやく帰ってきたまともな反応に下品な笑みを浮かべながら、彼はレッドの体を押さえ込み、さらに腕を押し付ける。
ブチブチと何かが切れる音が聞こえた。それでも虎は小さな穴へと自分の手を押し込もうとする。すでに5本の指の第一間接ほどまでが飲み込まれていた。
まるで太い縄を構成する糸が一本ずつ切れてゆくような手応えである。そしてその状態が続くほどに、レッドの顔に表情が戻ってゆく。
継続する激しい痛みは、鈍った彼の頭が処理できないほどにまでなろうとしていた。拒絶するように首を左右に振り、その目を再び涙に潤ませ、何かを懇願するように口が動く。
「なんだ、ちゃんとできるじゃねぇか」
牙もほとんど残らぬ口をぱくぱくと動かすレッドを見つめながら、虎が楽しげに言った。そして、肛門へと押し付ける手へとさらに力を込める。ある意味焦らすようにゆっくりと押し付けられていた手が、生々しい音を立ててレッドの肛門を裂いた。
(い……、たい……?)
何かがちぎれるような感触とともに、肛門からの抵抗が一気に失われる。レッドの太ももと同程度の大きさを持つ虎の腕が、完全に締め付けを失ったそこへと飲み込まれていた。
虎はレッドの腸内へと挿入した右手を握りこぶしにすると、その温かい肉の感触を味わうかのように左右へと腕をねじる。このまま少し力を込めれば、張り詰めた直腸を引き裂いて内臓を鷲掴みに出来そうだ。
だが、今はしない。しかし、そうまでしなくてはレッドが反応しなくなったときには……。虎はその瞬間へと思いを馳せ、再び肉棒をいきり立たせせる。
「――!! ッ!! ……ッ!」
レッドは再び体を苛み始めた激痛に悶え、この虎からの虐待が開始されたばかりのときのように涙を流し潰れた喉から悲鳴を上げる。
その反応を満足げに眺めながらひとしきり腸内の感触を味わうと、虎は乱暴な動作で右腕を引き抜いた。
完全に締まりを失い、ぽっかりと口を開ける肛門から、てらてらと光沢を放つ粘液をまとった紅い肉がはみ出る。それを指先でいじくりながら、虎はレッドの耳元へと口を近づけた。
「俺に逆らいたかったら逆らえよ。いくらでもいてぇ思いをさせてやるからよぉ?」
虎はこらえきれずに笑い声を漏らすと立ち上がり、いきり立った肉棒を見せ付けるかのようにレッドの顔を跨ぐ形で腰を下ろす。
レッドは涙を溜めた瞳でその赤黒い肉の杭を見つめた。己に残った一握りの尊厳を守り通したいのであれば、目の前に突きつけられたそれに対して何をすればいいのか分かっている。
「ぴちゃ……、ぺろ……」
だが、そうはしなかった。レッドは鼻腔を突く雄の匂いに耐えながら虎の肉棒へと舌を這わせ、表面に付着した精液の残りや恥垢を舐め取ってゆく。
吐き気を感じるほどに気持ち悪いが、地獄のような痛みよりはずっとマシだ。
レッドは両目から大粒の涙をこぼし肩を震わせ虎の顔色を伺いながら、拙い舌遣いで奉仕を続ける。胸の内で何かが壊れる音がした。失ったものは、きっともう二度と戻らない。
終
まるで骨の中に鉛を詰められてしまったかのような気分だった。爪先から耳の天辺まで、全身にその重さが圧し掛かっている。
固い木製の床に伏しながら、まともに動かすことも出来ぬ体に苛立ちつつレッドはそう思い浮かべた。顔を上げるだけにも時間がとられてしまう。
なんとか上体を起こし、重たい目蓋を少しずつ開いてゆくと、優しげなランプの灯りに照らされた部屋がグラグラと揺れていた。
いや、揺れているのは自分の瞳の方であると、時間が経つにつれて揺れの収まってゆく部屋の様子を見ながら彼はようやく気づく。
「ショコラ……、ここ、ッは――けほッ、うッ!!」
彼はその見覚えのない部屋を見回しながら、いつもの癖で宙へと問いかけるが、咳にその言葉を遮られる。ひどく息苦しい。のどが締め付けられるような不快感に、呼吸がまともに出来ない。
加えて、その問いかけへの返答もない。彼の声を拾うマイクも、気の強い妹からのナビゲートを伝えてくれる通信機は見当たりはしなかった。
右腕が何かを探すような手つきで、目の前にゆっくりと伸ばされる。ダハーカの操縦桿を握るときの動作であった。
霞に包まれた思考は今だに自分の置かれた状況と言うものを理解できていなかったが、それでも幾ばくかの不安を感じるには充分な材料が揃っていたらしい。
縋るように伸ばされた手は空を切るが、それが彼の中でのスイッチになったようであった。半分眠っているかのようにとろんとしていた瞳が、驚愕に見開かれる。
覚醒しきっていなかった頭から急速に霞が晴れてゆく。常に自分を助けてくれる存在から完全に隔離されてしまったと言う実感が彼を叩き起こしたのだ。
だが、今に限って言えば意識の回復も悪い方向へと働いてしまう。なんとか働くようになった頭が今の状況を理解しようと思考を始めるが、同時に無意識のうちに遮断されていた感覚が、意識の覚醒と同時に彼の体を襲っていた。
「あぁあああっ、あぁ……ッ! ――ッ、――!!」
左右の足に猛烈な痛みを感じる。レッドは全身を震わせながら悲鳴を上げようとするが、呼吸がまともにできず声が出ない。それどころか、全身をこわばらせ叫ぼうとするほどに意識が遠のいた。
異変に狼狽し震える両手をのど元へとやると、皮製の首輪が彼の細い首筋に食い込んでいた。それは命を奪うほどに呼吸を妨げはしなかったが、しかし激しい運動や大声を上げることを不可能にしている。
何とか首輪を外そうとはするが、手元が震えて金具を外すことは出来そうにもない。そしてそれを引きちぎるには、彼は非力すぎた。
小さな手が喉を掻き毟るように動き、その行動の成果は首輪の周りにうっすらと血が滲むというだけである。
狼狽し困惑する頭の中に残った一握りの理性を用いて、なんとか息を落ち着けるよう深呼吸しようとするが、両足から走る焼け付くような痛みがそれを妨害する。
レッドは瞳に涙を溜めながら、痛みを放つ足へと視線を向け、そして絶句した。
「ひッ……!」
喉の奥から掠れた悲鳴が漏れる。両足は足の甲を重ね合わせる形で鉄製の杭を突き刺され、床に縫いとめられていた。
すでにそれを突き刺されて時間が経っているのか、傷口から溢れた血液はどす黒く固まっている。すでに出血もなく、首輪と同様に直接命に関わることはなさそうではあるが、絶え間ない痛みに苦しめられる。
レッドは首輪を外すことを諦め、体を起こしその杭へと手を伸ばすが、少し動くたびに傷口から激痛が走る。体のどこかで筋肉が動くたび、杭を打たれた足が痛んだ。痛みに耐えてどうにか杭へと手を触れても、彼の細腕では深く打ちつけられた杭を少しも動かせはしなかった。
痛みによる消耗で求める空気の量は増えてゆくが、喉を締め付ける首輪がそれを許さない。再び頭に霞が掛かり始めていた。
判断力を失い、何でもいいからこの状況を打破する道具はないかと身の回りを両手でまさぐるが彼の手の届く範囲に置かれたものは何一つなく、そして喉を締め付ける首輪だけが彼が唯一身につけているものであった。
打開策もないまま、ひたすら恐怖だけが頭の中で膨れ上がってゆく。股の間に挟まれた尻尾によって隠れている股間では、玉袋と竿がきゅぅっと縮こまっていた。
苦しい。怖い。それだけに思考を支配され掠れた声で泣き始めそうにそのとき、彼の背後で扉の開く音が聞こえた。
「なんだ、起きてたのか」
そして聞こえてきたのは野太い男の声であった。レッドは今にも泣き出しそうに歪めた表情で振り返る。
そこにいたのは中年のネコヒトの男であった。ぼろぼろのズボンと汗と汚れの染みたランニングの姿は、シェットランドで働く鉱員たちと同じである。
小柄なレッドとは対照的に、筋骨隆々とした体つきと虎に似た顔つきを持つ大男である。虎は片手に握った酒瓶を煽ると、レッドへと向かって歩き出す。
距離が狭まるほどにきつい汗の匂いが鼻をついたが、今はその程度のことなど気にはならない。レッドは掠れる喉から言葉を搾り出す。
「た……、すけ……ッ」
『助けてくれ』。潰れた声で途切れ途切れに言った言葉であるが、相手の男にも充分理解できる範囲であった。だが、虎はレッドの言葉を無視して、いくつもの縫い傷が刻まれた彼の体へと大きな手をかぶせる。
その行動の意味が理解できずに困惑するレッドをよそに、虎は酒瓶を脇に置き口元を歪めながらレッドの体を撫で回す。
引き締まった尻を撫で、太ももをまさぐり、やがてその手は杭で打ち付けられた足へと辿り着く。生々しい傷口を見つめながら虎が口元をニタッと吊り上げた。その仕草に激しい不安を感じ、レッドは相手を制止するように手を伸ばすが、彼はレッドの意思などまるで興味がないかのごとく、その右足を鷲掴みにした。
「ぁ――ッ!!!!」
強く掴んだ足を力任せにぐりぐりと捻る。閉じかけていた傷口から血が滲み、その激痛にレッドが全身を震わせた。眉間にシワを寄せながら口をいっぱいに開くが、そこから出るのは掠れた息だけである。
床の上でのたうつように震えながら、レッドの頭では疑問ばかりが浮かぶ。なぜこの男はこんな酷いことをと、深く考えなくとも容易に想像がつきそうな事柄であるが、今の彼ではそれも難しかった。
まるで状況を飲み込めていない様子のレッドを見据え、虎は伏せられた耳元へと呆れたような口調で話しかける。
「酸素が足りなくて馬鹿になっちまったのか? なんでここにいるのか思い出せねぇのかよ」
レッドの頭を押さえつけ荒っぽい口調で問いかけながら、首輪の金具を外してその締め付けを緩める。
ようやく得られた開放感に笑みさえ浮かべながら、レッドは大きく息を吸い込んだ。動きの鈍っていた頭は、大量の酸素を取り入れて再びその活動を再開する。なぜ自分がここにいるのか、なぜこんな目に遭っているのか、自分自身へと問いかけた。
「て、めぇ……ッ」
その疑問の答えはすぐに浮かび上がった。レッドは震える声で怨嗟の言葉を吐く。ダハーカから降りたところを罠に嵌められ、この男に捕らえられた記憶が、頭の中で鮮明に思い起こされていた。
すぐにでも復讐を果たしてやろうとその目に怒りの炎が浮かぶが、しかし酸素を取り入れて思考力を取り戻した頭が、すぐさま『どうやって?』と疑問を投げかけてくる。
乗り手を失ったダハーカを、浮島から遥か下の雲海へと投げ捨てられるさまを見せ付けられた。護身用に使っていたスタンガンもなく非力な自分に対して、相手は大型犬の遺伝子を受け継いだ巨漢である。
その葛藤を察しているかのように、虎はいやらしい笑みを続けている。怒りと恐怖に体を震わせるレッドを見下ろしながら、ズボンのポケットへと片手を突っ込む。
「助けを呼ばれると厄介なんでな」
そう話しながら、透明の液体が入った小瓶を取り出す。コルク製の栓を口で挟んで引き抜くと、レッドの口を片手でこじ開ける。
その液体をどう使うつもりなのか、今なら充分に予想がつく。レッドは虎の手から逃れようと体を揺すり首を動かそうとするが、万力のような力で押さえつけられた顎はびくとも動かない。
悲鳴の一つでも上げたかったが、喉の締め付けが解かれたばかりの今では、まだ思うように声も出せない。
すべての抵抗は意味を成さず、小瓶はレッドの口の上で傾けられる。刺激臭を放つ透明の液体が、とぽとぽとレッドの口内へと注がれた。
「んぐぅ――!!!」
それと同時に虎はレッドのマズル掴み鼻を塞ぐ。喉の手前で溜まった液体は、肉が焼け爛れるかのような痛みを放った。
窒息に意識も遠のきかけた頃、ようやく彼はレッドの鼻面から手を離す。薄らいだ意識の中、彼は大きく息を吸い込むのを止めることができなかった。
「か、はぁ……ッ、あ゛あ゛ぁ……!!」
普段の快活な声とはまるで掛け離れた、壊れた蓄音機から発せられたかのような歪な声がレッドの口から漏れる。
喉の奥へと流れ込んだ液体が、まるで煮え滾った鉛を飲まされたかのような痛みを放っていた。声帯が焼け爛れてゆく。レッドの掠れた悲鳴は、徐々に人の声とさえ認識できぬ呻きへと変わり、そしてついにそれさえも消えた。
「――ッ!…… ッ!!?」
声が出ない。どんなに口を開いて大声を放とうとしても潰れた喉を息が通り抜け、焼けた爛れた声帯に例えようもない痛みが走るのみである。
だがレッドは、その事実を受け止めることができなかったのか、ひたすら口を開き、声を張り上げようとする。
頭の中には、叫ぶ言葉がいくらでも浮かび上がった。きっと自分の帰りを待っているはずの人々の名、どんなときも自分を守ってくれた愛機の名、そして救いを求めての言葉。
しかしどんなに強く思い浮かべようとも、それが声として彼の口から発せられることはもう2度となくない。強烈な喉の痛みを伴って掠れた息を吐き出すたびに、彼はそれを自覚してゆく。
「いい顔になったじゃねぇか」
絶望に染まってゆくレッドの顔を見下ろして楽しげに耳をピコピコ動かしながら虎が言う。
彼の顔には下卑た笑みが浮かんでいた。もはや抵抗の意欲さえ消えかかり震えるばかりのレッドの姿を見据えながら、その股間ではズボンに大きなふくらみが出来ている。
熱の篭もった生暖かい息が、虎の口から吐き出される。レッドへと向けられる表情は、苦痛に悶える様子を楽しむと言うものから、純粋にレッドの裸体への欲情へと変わっていた。
もはや何かを叫ぼうとするのもやめ、半開きのまま浅い呼吸を繰り返す口元に左手を置き、右手はレッドの足を貫通する杭を掴む。彼の細腕ではどうにもならなかったその杭であるが、虎が右腕の筋肉を隆起させ満身の力を込めると、少しずつではあるが杭が引き抜かれてゆく。
足を貫通した杭を動かされ、その痛みにレッドがビクビクと震えていた。その両目から涙を溢れさせ潤んだ視界に虎顔が映る。
欲情し息を荒げる男の表情は、嫌悪を感じる以前に恐怖の対象であった。捕食者を前に身動きの取れぬ獲物の気分である。
ただ恐怖だけが思考を覆い、気づけば彼は唯一残っているか弱い武器を相手へと向けていた。
「ッ、つぅ……!?」
レッドの顔を押さえつける左手に痛みを感じ、虎が声を漏らす。見れば、レッドは涙を流しながらそこへ喰らい付き、爪を立てていた。その二つが、獣の遺伝子を受け継ぐ者たちの最後の武器である。
レッドは鋭い牙を相手の左手に食い込ませ、両手の爪でその腕を掻き毟る。涙と鼻水を滲ませながら、半狂乱と言った様子での抵抗である。
虎は予測していなかった抵抗に、口をぽかんと開けて動きを止めた。しかし、困惑はすぐに怒りへと変換された。
「こっの野郎!!」
虎は大声で叫びながら左手を引くが、レッドはそれを喰らい付いて離さない。牙を突き立てられた手へと血が滲み、より深く牙が食い込むほどに痛みも増す。
自制心が強いとはいえぬ彼を激昂させるには充分すぎる反抗であった。虎は引いていた手を、今度は床へとめがけて振り下ろす。その手に喰らい付くレッドの頭も、鈍い音を立てて床へと打ちつけられた。
「――ッ、かひゅ……ッ」
脳を揺さぶられたのだろう。レッドは白目を剥き、体を痙攣させて体毛を逆立てた後、意識を失った。だが、それだけでは怒りは収まらない。レッドの足から引き抜かれかけていた杭へと、虎は再び手を伸ばす。
すでに中ほどまで浮き上がっていたこともあり、少し力を入れればあっさりと杭は引き抜かれ、足の傷口からは少量の血が漏れる。
彼は杭を掴んだ腕を大きく振り上げ、レッドの顔へと狙いを定めた。完全に頭へと血が上っていた。その後の楽しみの予定は思考から締め出され、今すぐ目の前の生意気な小僧を殺してやろうと、それだけが目的と化す。
そしてその杭が今まさに振り下ろされようとしたとき、この小さな家のドアの向こうから声が響く。
『おーい、いきなり大声出してどうしたんだ!?』
「あ、すまん、少し……!」
大声を出させまいとレッドの喉を潰してやったというのに、自分で大声を出して隣人からの注意を引いてしまうとは。虎は目を丸くして冷や汗を掻き、振り上げた手を小さく震わせる。
『おい、どうしたんだ!? 何かあったのか!?』
「……む、虫が出たんだよ! それも飛び切りでかいやつがな! 」
『虫!? くそ、駆除が済むまでは頼まれたっお前の家にゃあがんねぇよ!!』
「ああ、そうした方がいい! 何とか一匹潰したが破片が飛び散っちまった! 今掃除してるんだ!」
ドアの向こうからは、さも気分を害した様子で『うへぇ』と隣人の声が響き、それきり相手は去っていた。虎は額に溜まった冷や汗を腕でぬぐうと、視線をレッドへと戻す。
まだ意識は戻っていない様子であった。もし気絶しないまま隣人に声をかけられていたら、大変なことになっていたかもしれない。虎はほっとした様子で大きく息を吐く。レッドへの怒りはすっかり削がれてしまった。
だが、また爪を立てられても面倒だ。レッドの爪で掻き毟られた左腕の毛皮には、虎縞に混じって薄く血が滲んでいる。
彼は忌々しげに鼻を鳴らすと気絶したレッドを仰向けに寝かせ、万歳するような体勢でその両手を重ね合わさせる。足のときと同様だ。
右手に握ったままの杭をその手へと振り下ろす。激しい音は立たず、杭はさくりとレッドの両手を貫通して床に突き刺さった。
「――ッ」
細い体が小さく揺れる。失っていた意識は再び叩き起こされ、力なく開いた口から消え入りそうな吐息が漏れた。
もはや何も語ることの出来ぬ口がゆったりと動き、何かを話すような様子を見せる。
その言葉がどういったものだったか、本人にすらもう分かりはしなかった。最後の抵抗さえ失敗し、レッドは全てを諦めたかのように生気を欠いた瞳で、目の前の虎の顔を見上げる。
大きな手がレッドの肢体を這い、そのいやらしい動きへの嫌悪感に体が揺れるたび、虎が下品な笑みを浮かべる。
均整の取れた胴体を撫で、その体の所々に見える縫い傷を指先でなぞる。柔らかな毛皮の感触を手先で味わうたびに虎の股間が再び膨らんでゆく。
「ご開帳といくかぁ……」
ぎらぎらと目を血走らせ舌なめずりをしながら、虎はレッドの両太ももへと手を添える。腰を軽く浮かせるように持ち上げながら足を開くと、尻元の体毛の奥に初々しいピンク色の肛門が見つけられた。
本来の目的以外では一度も使われたことがないのだろう。キュッと締まっている可愛らしい穴を貫いたとき、レッドはどんな反応をするだろうか。
虎は鼻息を噴出しながら自分のズボンへと手をかける。汗が染みてわずかに湿ったズボンを下ろすと、一日かけてズボンの中で熟成された汗と恥垢の匂いが周囲に漂った。
そういった匂いを嗅ぐ機会は少なかったらしく、レッドがむせ返るように咳をした。鼻面が苦しげにヒクヒク動いている。
そんなに嫌がられては興奮が深まるばかりだと、虎は生唾を飲み込んだ。股間からは恥垢に塗れた赤黒い巨根がそそり立っている。
股間を隠すように丸め込まれた尻尾を掴み脇に逸らすと、レッドの腕ほどの大きさもあるそれを、ピンク色の秘肉へとあてがった。
「……」
そのまま腰を動かし、硬く閉じたその場所へと先端を強く押し付ける。すぐに痛みが発生することはなく、レッドは周囲に漂う強烈な雄の匂いに顔をしかめるばかりであった。
やがて、丸い亀頭が入り口をこじ開けその体内へと侵入を果たす。慣れないそこを強引に押し広げられる感覚に、レッドが大口を開けて荒い息を吐き出した。喉が潰れていなければ、さぞ大声で叫んでいたのだろう。
虎が腰を押し込み、より深くへと肉棒を挿入してゆくと、それに伴ってぶちぶちと嫌な音が伝わってくる。許容量以上に拡げられた肛門からは鮮血が溢れ、結合部から竿へと伝っている。
「……ッ!! ッ――!?」
「へへ、感じてるじゃねぇか」
涙を流しながら体をビクビクと痙攣させ、逃れようと腰をくねらせるレッドを見つめながら、彼は冗談めかしてそう言った。
味わったことのない痛みなので想像はつかなかったが、慣らしもしていない肛門へと異物を突き入れられるには、相当な苦痛を伴うようである。
レッドの股間で縮こまっているそれを片手で掴み、こねくり回すように扱うと、彼の体の痙攣がいっそう強くなる。どうやら力加減を間違えたらしいと虎が苦笑した。
「ん、ここまでか……」
肉棒を中ほどまで挿入した辺りで、虎はそう呟いて腰の動きを止める。どうやら今はそれ以上奥には入りそうにない。彼は軽く舌打ちをしながら腰を引く。
「よっ、……とぉっ」
「ッッッ!!」
そして小気味のよい掛け声とともに、再び腰をレッドの尻へと打ちつける。結合部から漏れる鮮血を撒き散らしながら、ピストンが始った。
これまで以上の痛みに、レッドが壊れたように口を動かしている。何かを拒否するときのジェスチャーのように顔を左右に振り、そのたびに涙と鼻水、そして血混じりの涎を振りまいた。
汗の染みたランニングに新たな染みを作りながら、虎は容赦なくピストンを続ける。激しい音を立てて腰が打ち付けられるたび、肉棒はより深くレッドの体内へと飲み込まれてゆく。
痛いほどに勃起した肉棒を、血に濡れた肛門がきつく締め上げる。血液に混じって腸内から分泌される粘液が、ぐちゅぐちゅと淫らな音を奏でた。その匂いを吸い込みながら、虎の興奮はより激しくなってゆく。
だがレッドからすれば、その行為は拷問以外の何者でもない。肉棒自身に宿る熱と肛門の裂傷で、まるで焼け火鉢を突き入れられたかのような感覚であった。
もはや己に降りかかった不条理を嘆く余裕も、目の前の男に憎悪を向ける気概さえなかった。ただひたすらに、潰れた喉で叫び続ける。
(痛いッ、痛い痛い痛い痛い痛い!!! もう噛まねぇし抵抗もしねぇ、だから、やめてくれぇ……ッ!)
だがその声は、もう二度と誰にも届くことはない。どんなに口を動かしても、相手はそこから意味を読み取ろうとする様子すらなく、ただ腰を揺するばかりだ。
ついに虎の肉棒は根元までレッドの体内へと収まり、臓物を圧迫するかのような存在感を放つ。勢い良く腰を打ち付けられるたびに、レッドの喉からは呻くような息遣いが漏れた。
(もう、やめてくれぇぇええ!! 頼むから、何でも言うとおりにするから!!! もう逆らわねぇ! いたっ、痛いぃい!!)
大きく開いた口からは息遣いだけがひゅぅひゅぅと虚しく漏れる。レッドの体へと突き刺された肉の杭は、内臓を蹂躙しつくそうとするかのように腸内で暴れまわる。
腸内から溢れる腸液も、突き入れられた肉棒の先端から漏れる先走りも、その圧倒的な対格差の前では気休めですらない。虎が快楽を貪り腰を揺するほどに、レッドは激しい苦痛に悶え続けた。
「チンコぶち込むたびに震えやがって、女とかわらねぇなぁ?」
随分と荒くなった息遣いを整えながら、レッドの耳元へと虎が話しかける。当然その言葉への返答はないが、元からそのつもりでかけた言葉であった。
背が低く体つきも華奢な彼がピストンのたびに悶える姿は、意味合いは違うながらもそれをイメージさせる。そして、そんなイメージと重なってしまうようなレッドの姿がどうしようもなく滑稽で、そしてたまらなく劣情を誘うのだ。
虎が鋭い牙を剥き出しにして笑みを浮かべる。激しいピストンを繰り返し、限界がすぐそこにまで近づいていた。
レッドの両太ももへと深く爪を立て、まるで殴りつけるかのような勢いで腰を打ち付ける。激しい音を立てて肉と肉がぶつかり合うたび、彼の爪は深く突き刺さりレッドの太ももの毛皮に血が滲む。
尻は痛みを通り越して、ジンジンと例えようもない熱だけが残っていた。腰を打ち付けられるたび骨の軋む感覚が背筋へと伝わってくる。尻の辺りの毛皮は猿のそれのように真っ赤に染まっていた。
(たすけて……)
「うおおおおっ……!!」
もはや泣き叫ぶ余力も失い虚ろな瞳を宙へと向けながら、レッドはもごもごと腰を動かした。その最後の言葉さえも踏みにじるかのように、虎は押し殺した声で叫ぶ。
――びゅるぅううううううううううっ!!
男のイチモツによってぐちゃぐちゃにかき回された腹の中へと、熱い液体が流れ込む。
男によって犯されあまつさえその精液を流し込まれてしまったという事実に対する嫌悪感は、もうなかった。
ただ、苦しみしか生まぬ行為にようやくの終了が訪れたと言う安堵に彼は大きく息を吐いた。全てを踏み躙られ、奪われ、彼は諦めるしかなかった。
(……)
随分と柔らかくなった肉棒が、血に塗れた肛門からずるりと引きずり出される。巨根で押し広げられめくれ上がった肛門から、血と精液の混じった淡い桃色の液体が漏れ出し、床に溜まった小さな血だまりへと垂れ落ちる。
レッドは気絶したかのように体を脱力させ、目蓋を閉じる。体中を痛みが包んでいたが、疲労はそれを上回り彼の感覚を鈍らせてゆく。虎の体が自分から離れたことさえ気づかぬほどに。
体は休息を求め、レッドの意識はまどろみの中へと吸い込まれてゆく。身を包む苦痛は雪のように溶けていた。出来ることなら、そのまま目を覚ましたくないのに……。
そんな全てを諦めてしまったかのような願いを残し、レッドはついに意識を途切れさせようとする。だが、どんな些細なものであろうとも、希望を持つことなど許されてはいなかった。
「――ふぅ、ッ!?」
半開きのまま真上に向けられていた口の中に、冷たい鉄で出来た異物がねじ込まれる。それが何であるか理解する前に、実演が行われていた。
虎の左手へと深く食い込ませていた上顎の牙を、鉄の塊ががっちりと挟み込み、そしてそのままねじるような動きで引っ張る。獣にとっての最後の武器であるそれは、意外なほどにあっさりと引き抜かれる。
(え……)
レッドはぽかんと口を開け、呆然とした様子で目の前の異物を眺める。虎の大きな手がペンチを掴んでいる。そしてそのペンチには、血の滴る牙が挟まれていた。
だいぶ活動の鈍ってしまった頭が、数秒かけてそれが何であるかを理解する。そしてレッドは、まるで生気を失ってしまった瞳で少しの間それを眺めた後、口の中に溜まった血を吐き出した。
「なんだ? 急に黙りやがってよ」
そのつまらない反応を見せ付けられ、虎が苛立ちを隠さぬ声で呟く。レッドの反応を確かめるようにその鼻面を殴りつけるが、淀んだ瞳が虚空を見上げるのみで、これといった反応は返らない。
虎はさらに苛立ちを強めた様子であったが、レッドがそうなるように仕向けたのもまた彼である。次々と希望を奪われ痛みで踏み躙られれるうちに、
絶望が彼の思考を満たしていた。
涙さえ枯れ果てた瞳はもう何も見てはおらず、怯えるように伏せられた耳はもう何も聞こうとはしていない。先ほどまでとはまるで違うその反応が理解できず、虎はレッドの口へと再びペンチをねじ込んだ。
今度は奥歯を強く挟み、牙と同様に力強く引き抜いた。レッドは一瞬だけ体を震わせるが、しかしもう先ほどまでのように泣き叫ぶことはない。何度試してもその反応は変わらなかった。
レッドはまばらに牙の残る口を半開きにして、歯茎から溢れる血を吐き出す。虎はその様子を見つめながら忌々しげに唸り、ペンチを足元へ投げ捨てた。
彼はそこまで頭が回る方ではない。難しい顔で暫く唸った後、レッドの変化に対して『この程度の痛めつけ方では慣れてしまったのだろう』と、結論をつけた。
そうなれば、やるべきことは一つである。再び意識を失いかけていたレッドを殴りつけ叩き起こすと、彼を強姦したときのように股を開かせる。
だが今度は先ほどのようにその華奢な体に覆いかぶさったりはしない。代わりに、巨根で掻き回され閉じきらぬまま精液を垂れ流す肛門へと、太い指をねじ込んだ。
「スカしてんのも今のうちだぞ?」
緩んだ肛門へと突き入れた人差し指と中指を、中の様子を確認するように動かす。腸内に残った精液をかき混ぜ、くちゅくちゅと音を鳴らす。
それだけの動きであれば対して痛みを伴うものではない。レッドは虚空を見つめたまま何の反応も示さなかった。だが、虎は一度指を引き抜くと、今度は5本の指を全て束ねるようにして、めくれ上がった肛門へと押し付ける。
その指先が少しねじ込まれるだけで、レッドの肛門はシワが一つも残らないほどに拡げられていた。限界まで張り詰めていることは誰の眼にも明らかである。これ以上奥へと押し込めばどうなるかも。
「――ッ」
ほとんど反応を失っていたレッドが、虎の手から逃れようとするかのように腰を動かした。ようやく帰ってきたまともな反応に下品な笑みを浮かべながら、彼はレッドの体を押さえ込み、さらに腕を押し付ける。
ブチブチと何かが切れる音が聞こえた。それでも虎は小さな穴へと自分の手を押し込もうとする。すでに5本の指の第一間接ほどまでが飲み込まれていた。
まるで太い縄を構成する糸が一本ずつ切れてゆくような手応えである。そしてその状態が続くほどに、レッドの顔に表情が戻ってゆく。
継続する激しい痛みは、鈍った彼の頭が処理できないほどにまでなろうとしていた。拒絶するように首を左右に振り、その目を再び涙に潤ませ、何かを懇願するように口が動く。
「なんだ、ちゃんとできるじゃねぇか」
牙もほとんど残らぬ口をぱくぱくと動かすレッドを見つめながら、虎が楽しげに言った。そして、肛門へと押し付ける手へとさらに力を込める。ある意味焦らすようにゆっくりと押し付けられていた手が、生々しい音を立ててレッドの肛門を裂いた。
(い……、たい……?)
何かがちぎれるような感触とともに、肛門からの抵抗が一気に失われる。レッドの太ももと同程度の大きさを持つ虎の腕が、完全に締め付けを失ったそこへと飲み込まれていた。
虎はレッドの腸内へと挿入した右手を握りこぶしにすると、その温かい肉の感触を味わうかのように左右へと腕をねじる。このまま少し力を込めれば、張り詰めた直腸を引き裂いて内臓を鷲掴みに出来そうだ。
だが、今はしない。しかし、そうまでしなくてはレッドが反応しなくなったときには……。虎はその瞬間へと思いを馳せ、再び肉棒をいきり立たせせる。
「――!! ッ!! ……ッ!」
レッドは再び体を苛み始めた激痛に悶え、この虎からの虐待が開始されたばかりのときのように涙を流し潰れた喉から悲鳴を上げる。
その反応を満足げに眺めながらひとしきり腸内の感触を味わうと、虎は乱暴な動作で右腕を引き抜いた。
完全に締まりを失い、ぽっかりと口を開ける肛門から、てらてらと光沢を放つ粘液をまとった紅い肉がはみ出る。それを指先でいじくりながら、虎はレッドの耳元へと口を近づけた。
「俺に逆らいたかったら逆らえよ。いくらでもいてぇ思いをさせてやるからよぉ?」
虎はこらえきれずに笑い声を漏らすと立ち上がり、いきり立った肉棒を見せ付けるかのようにレッドの顔を跨ぐ形で腰を下ろす。
レッドは涙を溜めた瞳でその赤黒い肉の杭を見つめた。己に残った一握りの尊厳を守り通したいのであれば、目の前に突きつけられたそれに対して何をすればいいのか分かっている。
「ぴちゃ……、ぺろ……」
だが、そうはしなかった。レッドは鼻腔を突く雄の匂いに耐えながら虎の肉棒へと舌を這わせ、表面に付着した精液の残りや恥垢を舐め取ってゆく。
吐き気を感じるほどに気持ち悪いが、地獄のような痛みよりはずっとマシだ。
レッドは両目から大粒の涙をこぼし肩を震わせ虎の顔色を伺いながら、拙い舌遣いで奉仕を続ける。胸の内で何かが壊れる音がした。失ったものは、きっともう二度と戻らない。
終
リクエスト アルゴ陵辱 by 森谷
無実の罪を着せられる猪の戦士 by take
ピンク色の照明で彩られる広間。窓が1つもなく、地下に設けられているため埃っぽい空気ではあるが広間にいる者たちはそんなことを気にする様子もない。
その広間はステージと観客席に区切られ、地下に設けられた劇場、或いは舞台とも言うべき場所であった。
観客たちはがやがやと騒いでおり、皆一様にステージに視線を注いでいる。今日は何かしらのイベントがあるらしく、観客たちは皆総立ちで興奮を抑えきれない様子である。
すると、ステージ奥の厚手のカーテンが開かれ、そこから3人の男が現れる。
1人は豚獣人の男。身なりは派手なローブを纏い、重金属のネックレスを首に掛けている。恰幅が良く、ゆったりとしたローブを着ているにも関わらずほどよく肥えた腹が突き出ている。背が低いためか厚底のブーツを履いている。
歳は中年に差し掛かったほどで、薄桃色の肌に白色の体毛が生えている。堂々とした立ち振る舞いで、彼がこの広間の持ち主である。
この広間は彼の趣味のために設けられたもので、彼の住む屋敷の地下に設けたものである。
そして豚の後ろに続くのは虎の男。兜と鎧を纏い、小手と具足から覗く腕や足は丸太のように太い。
彼は豚の屋敷を警護する衛兵である。豚よりも若々しく、筋肉が張った、背の高い彼ならば衛兵にぴったりだろう。
虎は表情を一つ変えず、その手には縄を持っている。その縄の先には猪の男がいた。
体格は腹の肉が弛んではいるものの、手足の筋肉はしっかりと整っており、ちょうど豚と虎の中間の脂肪と筋肉を持ち合わせていた。
虎の持った縄は、猪の両腕を前に伸ばす形で縛っていた。また、両腕を縛られた猪はマズルを動かすことが出来ない上下の口を縛られた猿轡も施されていた。
格好は豚や虎と違い、上半身は何も身に着けず、下半身はボロボロのズボンを履いているだけ。そのズボンも今では黒ずみ、不潔であることを表している。
更に猪に近づけばむわっと酷く臭いにおいが漂っている。何日もシャワーどころか水浴びすら浴びていない獣臭さが染み付いている。ステージと観客席の間はいくらか離れてはいるが、観客の中には鼻をつまんで不快感を露にするものもいた。
豚が先導し、観客席から良く見える中央の位置で足を止め、同じように虎が足を止めると猪も歩みを止める。
「本日は皆さん、よく集まり頂きました。これが、我が屋敷に立ち入った盗人です」
豚がそう言って、手を猪へと向ける。猪は豚のその言葉に怒りを露にし、額に皺を寄せ、ぶるるっと鼻息を荒くする。
すると、虎は腰に持っていた短剣を抜き、その切っ先を猪の喉元へと当てる。すると猪は勢いが潰え、しゅんとする。
「こやつは屋敷に侵入しただけではなく、またその罪を認めない不届き者です。そこで、私の手でこやつを罰しようと思いましてな。どうか皆様、心行くまでお楽しみください」
さぞ満足気に豚が言い放つと、豚はくぐもった声を上げる。本来ならばそこで抗議の声を上げようとしたのだが、猿轡が施され、くぐもった声しか上げられない。
次いで猪は豚を目掛けて縛られた両腕で殴ろうと駆け出そうとしたが、それよりも早く虎が縄を上に縛り上げ、豚の眼前でその動きを止める。
そしてこれ以上豚に反抗できないように猪の後頭部を掴み、床へと仰向けの姿勢で叩きつける。
猪は平たい鼻から叩きつけられ、鼻から空気が抜け、豚を見上げ肩を震わせる。受身も取れずに「うう」と痛みから情けない声を上げる。
豚はそんな反抗心を剥き出しにする猪を見下し、目つきを細めて下品な表情に変わる。
実際、猪は豚の屋敷に盗みに入ってはいない。豚は豪邸を構える貴族で、猪と全く関係がない。
猪は1人で当てもない旅をしている戦士で、その日暮らしの生活をしていた。豚の屋敷に近づいたのは全くの偶然で、金に困ってはいるものの人の家に盗みに入るほど落ちぶれてはいない。
すると、豚は自分の屋敷をうろつく猪の姿を目撃したのだ。それからすぐに衛兵の虎に連絡し、猪を捕らえた。
猪は腕の立つ戦士であったが、装備も戦闘技術にも上回る虎に不意打ちを食らい、あっという間に気絶してしまった。
目が覚めれば豚の屋敷の中にある牢獄に幽閉され、謂れの無い罪を被ることになったのだ。
無論、何度も豚に無実だと掛け合ったが、豚は取り合おうともせず、猪を一週間幽閉した。そして今、猪は牢から出されたものの、わけも分からずこんな場所に連れて来られ、事態を把握できない。
警察にも引き渡さず、自分は一介の冒険者だというのに豚の意図が読めない。
「どれ、ちょっと立たせろ」
豚は虎に命令すると、虎は猪の首根っこを掴み、無理やり膝立ちにさせる。虎が立て、とドスの聞いた声で言い放ち、猪は立ち上がる。
それから豚は虎の傍に近づき、何かを囁くと猪と虎から離れる。
虎は豚を見送った後、短剣を猪の腹へと切っ先を向ける。猪はぎょっと目を見開き、視線をナイフへと向ける。
猪はこのまま刺されるのだろうか、と不安を抱えるが、しかし虎は猪の履いている異臭の漂うズボンへと切っ先をあてがい、猪のズボンを引き裂く。
ボロボロだったズボンはすぐに布切れとなって床に落ち、ズボンを失った猪の股間には金属製の何かが取り付けられていた。
観客たちの目にもそれが映る。ちょうど下着のように股間周りを覆う金属製の下着、とでも言うべきもの。
それはいわゆる貞操帯と呼ばれるものであった。猪は投獄されると同時に、履いていた下着を貞操帯と取り替えられたのだ。
投獄されたときには手枷も施されており、運ばれてきた食事は家畜のように直接皿に口をつけて食べることが出来たが、排泄はそうもいかない。
猪は恥を忍んで豚にそのことを申し出たが、これが以外にも豚は虎に命令をして貞操帯の鍵を外し、排泄を許した。
無論用が済むとすぐに貞操帯を取り付けられたのだが、しかし猪は貞操帯をつけられた意味が今も分からないでいた。
そして、貞操帯だけを覆う猪に、虎は鍵を取り出し、貞操帯を外させた。がらんと貞操帯はばらばらになって落ちて、猪の一糸纏わぬ姿を観客たちに見せることになる。
その猪の股間を見た観客たちは一斉に大笑いをした。そこで猪は、初めて大勢の人々に自身の性器を見られているということを意識し、顔を赤らめ両手を股間で覆う。
猪のペニスは子供のものかと思うほどに小さく、先端まですっぽりと皮を被っていた。それだけでなく、かなり皮が余っているようで先端に皺が寄ってドリルのような形をしていた。
両足が太い分、ペニスの小ささが引き立ち、それを見た観客たちは笑いを堪えようともせず、口々にからかう。
こんなことをさせるために自分を捕まえたというのか。猪は恥じらいと同時に悔しさがこみ上げる。
と、それだけではなかった。虎は持っていたナイフを更に猪の両手を縛る縄へとあてがい、縄を切ったのだ。
猪は虎の行動に呆気に取られる。両手で股間を隠すのも忘れ、虎にその手を向ける。
助けてもらえるのだろうか、と猪は思ったのもつかの間、虎は猪に冷たく次の一言を言い放つ。
「自慰をしろ」
「……っ!?」
猪は目を瞬かせ、虎を見る。すると、猪の後ろに待機していた豚が煽る様に言う。
「皆様、今よりこやつは自慰を公開してくれるそうです。一週間も溜まったままで気持ちが昂ぶっているのでしょう」
豚の言葉に猪は固まる。今すぐにでもその突き出た腹に拳をのめり込ませてやろうかと寸での思いで踏み止まる。
自分を無実の罪で捕らえたのも、わざわざ貞操帯をつけたのも、これだけのために。猪は猿轡で縛られたマズルをわなわなと震わせる。
両手が自由に利く今なら猿轡を外し、豚に殴りかかるのも容易ではない。しかし、当然その猪の考えに虎は既に対処している。
猪の首を掴み、「余計なことをしたら殺す」とだけ言って脅す。背中にナイフの先端を突きたて、ひんやりとしたナイフの感触を与える。
それだけで猪は無力化し、観客たちにその全身を晒さなければならなかった。猪は既に虎に気絶させられ、戦いでは勝てないと身体が覚えているからだ。
周りの観客たちは大声で猪のことを煽る。観客たちの中には猪の獣人もおり、同じ種族の者がいるというのに対するステージ上にいる猪はまるで見世物のようであった。
猪はごくりと唾を飲み込み、拙い手つきで右手を股間へと添える。これまで何度も行ってきた自慰をするだけ。それだけなのに、大勢の前で行うとなるとわけが違う。
観客たちは服を着ている。その中で全裸なのは自分だけ。それだけでも羞恥を煽る要素があるというのに、そこで自慰を強要される。恥ずかしくて消え入りそうになる。
また、猪の不幸が重なったのは1人旅であるという点。仲間がいれば猪のことを捜索してくれたかもしれないが、見ず知らずの街で猪が消えたとしても人々にとっては何ら日常に変化を及ぼさない。
ひたすらに無心になって猪はペニスを弄くる。先端まで包皮に覆われている包茎を摘み、ぐにぐにと親指と人差し指で刺激を与えていく。
指で弄くるとそれだけでペニスは隠され、観客席からは見えなくなる。するとそれに野次が飛ぶ。股を開け、よく見せろ、と。
猪は観客席を睨み、その野次には応対しない。せめてもの反抗である。
が、虎が観客の声に応え、言われたとおりにしろ、と言う。流石の猪もナイフを持った虎に抵抗できるわけがない。
渋々、足を開き股間を良く見せる。短小包茎である猪のペニスはそれでもまだ良く目を凝らさなければ見えないものであった。
包皮を摘み、ペニスの根元まで剥いていく。しかし猪の包皮は常人の包茎と違い勃起しなければ亀頭を僅かに覗かせるだけで剥けることがない。
当然観客たちはそれを見て苦笑をする。ダサい、子供ちんこ、豆粒、猪に対して様々なからかいが飛び、猪の顔は蒸気が発せられるかと思うほど熱く、そして赤くなっていた。
大勢の人々に見られている状況なのか、猪のペニスは中々勃起しないでいた。短小包茎という刺激に弱いペニスなのだが、やはり人々の目線が気になって性欲を呼び起こすことは出来ない。
一週間も自慰を出来なかったのだからその証としてペニスの下に垂れ下がる陰嚢はぷっくりと膨らんでいる。しかしそれでも先走り汁すら出ない。
僅かに開いたマズルの横からは掠れた息が音を立てる。後どれくらいこうしていればいいのか、猪は見当もつかない。
と、猪のペニスが勃起してもいないのに観客席の方からざわついた声が上がる。一体何があったというのか。
猪のペニスを弄くる所作も止まる。それでも観客席の喧騒は鳴り止まない。
観客たちの視線は猪ではなく、その後ろに向かっていた。猪も一体何があったのだろうかと思って後ろを向くと──。
「んぃっ!?」
猪の全身に痛みが走り、がっと開きそうになった猪のマズルを猿轡がぎちぎちと締め付ける。
全身の体毛がぞわりと逆立ち、力が抜けて膝から崩れ落ちる。だが、尚も猪の全身には痛みが走り両目を見開く。
猪の腕はあの豚の腕によって掴まれていた。猪よりも脂肪がつき、動くだけで肉が波打つ肥満体型の豚。
その豚が、厚手のローブとブーツを脱ぎ、猪の肌に密着し、怒涛したペニスを猪の肛門に愛撫もなしに挿入していた。
今まで肛門に異物を挿入されたことのない猪の全身が硬直し、指先がびくびくと震える。
両腕を掴まれ、何かの上に乗せられる。人肌の温かみがあり、弾力のあるそれは豚の膝の上であった。
一体何が起きているのか、猪はペニスを挿入された痛みで混乱しかけたが、同時に豚の趣向を理解した。
こいつは、自分の身体目当てのためにここまでしたのだ、と。自分を犯すためだけに。
無理やり人前で素裸に剥いたのも、自慰を強要したのも、そしてペニスを突っ込んだのも。
猪は顎をせり上げて唸り声を上げる。豚のペニスは猪のものと違い、包皮が剥けきり、また太さと長さも猪のものと違い逞しい大人のペニスであった。
カリが腸内をなぞり、ごりごりと腸の奥まで硬い亀頭がぶつかる。猪の両目に溜まっていた涙があっという間に漏れ、頬を濡らしていく。
平たく大きな豚鼻からは鼻水がどろりと垂れ、なんとも情けない顔になっていた。
「おい、あいつ漏らしてんぞ」
観客の1人がそう言うと、猪の股間からは先走り汁が漏れていた。豚のペニスが猪の前立腺と膀胱を突き、それが性刺激へと繋がったのだろう。
しかし痛みがあるのも事実で、猪のペニスは先走り汁を流していても変わらず皮を被り萎縮した状態である。
「男に突かれて喜んでいるのか、なぁ?」
豚が猪の耳元で囁く。猪は首を振って答えようとしたが、豚は一気に腰を突き出し、猪の全身は痙攣を起こしたかのように震える。
猪は目を瞑るしかなかった。視界を開けばまるで女のように弄ばれている自分を物珍しい物を見るかのような視線が耐えられない。
だが、それでも観客たちの声は耳に入る。笑い声を上げてからかうものもいれば、罵倒するものもいる。
くちゅりと淫猥な水音を立たせ、猪の肛門からは腸液が漏れる。豚のペニスを押し出そうという防衛本能が働いたのだが、しかしそれは豚のペニスに潤滑油を与え、挿入をなだらかにするものでしかなかった。
また、腸壁は豚のペニスに絡みつき、排泄しようとするが、弾力もあり熱もある猪の腸内は豚にとってはペニスを圧迫し、心地良い刺激を与えるだけでしかなかった。
「んっんぅ……!!!」
猪の全身から汗が噴き出る。体毛を濡らし、皮膚に密着して、また豚の体毛を絡み合う。
「しっかり飲み込め、いいか」
豚が猪に言い、豚はぱちんと猪の臀部に股間を打ちつける。すると猪の腹に温かいものが注ぎ込まれる。
どろりと粘着性のある豚の精液が腹に流れ込み、猪は尻に力を入れて排泄することも、肛門を閉じて拒むことも出来ずにどぷんと腹に注がれる。
するとまたも観客席からは猪を指差して声が上がる。猪が勃起していないのに射精してからである。
溜まりに溜まっていた精液を溢れさせたもので、また尿道の刺激は弱かった分精液はなだらかに噴出すことはなく、どろどろと猪の竿を伝って零れ落ちる。
「さて、気持ちよくなっているところ悪いが、お前はこの後どうなると思う?」
射精を終え、少し声が上ずっている豚が猪に問う。猪も気づかないうちに射精を迎え、ピストン運動が止まり少しずつその頭に冷静さが戻る。
猪は豚の問いに答えることなく項垂れるが、しかし虎がぐいっと猪の顎を持ち、観客席へとその視線を向けさせる。
肩を震わせ、拙い呼吸をしつつ猪は薄っすらとしている視界を動かす。周りにいるのは自分を見世物として楽しんでいる観客。
観客の中には煌びやかな服飾に身を包む豚と同じような貴族もいれば、猪のような平民もいる。
皆が自分のことを見て気持ち悪いだの粗末なペニスだの罵声を浴びせてはいるが、良く見ると観客の多くは息を乱れさせ自分を食い入るように見ている。
しかも、不思議なことに観客たちは股間をきつく張り詰めさせ、まるで自分のあられもない姿を性の対象として見ているかのようで──。
「んむ、んんっ……!!」
猪の全身の体毛が再びぞわりと逆立つ。観客の中には女の姿が見当たらない。男のストリップや性行為を公開するということなのだから自分のことを笑いものをにするためにきていると思っていた。しかし観客たちの多く、いや、観客全員が股間をきつくして今にも飛び掛ってきそうであった。
それが何を意味するか、猪は理解してしまった。猪は余程の暇人の集まりだとは思っていたが、観客たちはこのショーを見て帰る、という猪の希望的観測は打ち砕かれた。
猪は猿轡を外そうとマズルに力を込め、頭を振るが猿轡はそう簡単に外れず、両腕は未だ豚に掴まれたままであり逃げ出すことが出来ない。
そして、豚から衝撃の一言が観客たちに向けられる。
「今よりこいつを犯したい者は存分に犯していいぞ。とことん罰を与えてやれ!」
そして、豚は猪の肛門からペニスを引き抜き、猪の背中を観客たちに向けて蹴飛ばす。猪は受身も取れず、うつ伏せに倒れ、すぐに顔を上げる。
猿轡は嵌められたままだが、両手足が自由になって逃げ出そうとしたが、時既に遅し。猪の身体はうつ伏せから仰向けに体勢が変えられ、嫌でも自分のことを見下ろす観客たちが目に付く。当然、ズボンを下ろし怒涛した一物もその視界に入る。
「犯罪者にゃあ罰を与えてねぇとな」
「俺のチンポもしゃぶれよ、おい」
「ケツが裂ける位犯してやろうぜ」
両手足が観客たちの手によって拘束される。あっという間に猪の四方八方は囲まれ、最早逃げ出すことは出来ない。
猪は怖くなり、短小だったペニスが股間に潜り込むように縮こまる。びくびくと震え、そして猿轡が強引に外される。
「うっぐぅむぅううう!!!!」
一言、許してくれと叫ぼうとしたがそれすらも叶わず、ペニスが口に捻じ込まれる。雄臭く硬くそそり立ったペニスが口内を犯し、猪は散々流した涙がまたも溢れ頬を濡らす。
更には無理やり両足を開かせられ、今も豚が吐き出した精液が漏れる肛門にペニスが挿入される。
「んんんっ……ぁあああああっ!!!」
豚よりも明らかに太いペニスが挿入され豚は悲鳴を上げる。肛門が裂けてしまいそうになり豚は咥えさせられていたペニスを離してしまう。が、ペニスを離すとすぐにまた口に捻じ込まれる。
涙で視界がぼやけ、腸内を抉られる痛みで猪は一体誰が自分のことを犯しているのか見えない。何十人にも及ぶ観客たちによる責め苦はまだまだ終わらない。
猪が叫ぶその様子を豚はほくそえんでいた。あれは玩具にしてはなかなか良いものを手に入れた、と。
この乱交騒ぎが終わった後、猪を自分専用の夜伽相手にするのも悪くはない。豚は静かにことが終わるのを待つ。
「やめ、やめろぉおおおっ!!!」
観客たちによって囲まれ、猪がどのように犯されているかは分からなかったが、それでも泣き叫ぶその声で再び豚は股間を熱く滾らせる。
豚は、猪が自分の物になる姿を想像し、下品な表情で舌なめずりをする。猪の人生の転落はまだ始まったばかりである。
ライオン アヘ顔 エロ (リクエスト) by森谷
辰樹 褌 エロ (リクエスト) by森谷
黒牛 縛り (SS挿絵リクエスト) by森谷
オオカミ トラ (SS挿絵リクエスト) by森谷
挿絵のリクエスト。
(11月16日追記)
SSへのお問い合わせが結構あったので、
SSを執筆していただきましたもけさんに転載許可をいただきました。
もけさんのサイトには他にもSS多数です。是非!
written by もけ
「なぁおい、ちっとは構ってくれよ」
「誰が構うかバカ」
「バカとはなんだよこの」
「こら、外でくっ付くなっつってんだろバカ!」
人通りの多い路地を二人して歩きながら、虎と狼がそんな風に言い合いをする。
と言うか、べったりとくっ付こうとする狼を、その都度虎が振り払い、「バカ」だとか「アホ」だとか、小学生が口にするような悪態を吐くという繰り返しだ。
傍目には、仲の良い友達同士でじゃれ合っているようにしか見えないし、会話まで聞き耳を立てなくては二人の関係など分かりはしない。
そして、何処にでもいるような二人組みの会話に、わざわざ耳を傾けるような者が、この忙しい人ごみの中にいる筈も無いのだ。
そう分かっているから、狼も過剰ともいえるスキンシップをして、虎の反応を楽しんでいるのだ。
だが虎の方からすると堪ったものではない。ただでさえ、体面を気にする性格だし、随分と照れ屋な所があり、ちょっとした事で恥ずかしがる性分である。
分かっててからかい続ける狼の性格が悪いとも言えたが、大柄で逞しい姿とは不釣合いに、ビクビクした態度を見せる虎も、からかい続けるに足るほど可愛い仕草だった。
「お前の方が挙動不審になってんぞ?」
「だったらくっ付くなよ!」
「そいつは出来ないな」
狼がさもおかしそうに笑いながら、虎の言葉を退ける。虎はとうとう諦め果てて、路地から逃げるように、ビルの隙間の小さな道へと入って行った。
狼のスキンシップはさらにエスカレートし、くっ付くたびに、虎の尻尾の付け根や、腰や、尻をいやらしく撫でつけ始めていた。
それに伴って虎自身も前屈みになっていき、ついぞ人ごみの中でそんな姿勢を晒す事は出来ないまでに、悪化してしまっているのだ。
狼は虎の後ろについて路地裏へと歩いていき、人ごみを離れた瞬間から、虎の腰に手を回しいやらしく撫で回し始めた。
人の目もなくなったのだから。それと分かるような露骨な手つきも、もう問題ではない。
だが、虎の羞恥心は狼と違って正常に働いていた。
「や、やめてくれって! ここ外だぞ!?」
「誰も見てないしいいだろ。前屈みでの否定なんて、肯定のうちだぜ?」
「それはお前の中でのルールだろ!!」
室内で二人きりなら、どんなにいやらしい手つきも大歓迎だったが、ここは外。虎は箸って逃げ出したい衝動に駆られるが、前屈みの体勢で逃げ切れるとも思えない。
語気を荒くしながら狼へ抵抗の言葉を発するうちにも、後ろに回られて、股間へと手を回される。
ズボンの上から、勃起した竿をそっと撫でられ。彼の毛皮はビクンと波打った。
「こいつはもう、一発抜いとかないと収まらないんじゃねーの?」
「ふざけるなっつってるだろ! ここ外だぞ!」
虎は抵抗を続けるのだが、狼の手は止まらないファスナーを下ろし、その中へと指を突っ込む。
同時に、尻の割れ目へと、ズボン越しに勃起したペニスを擦り付けてくる。
結局、狼の手を止めさせる策も無く、虎はされるがまま狼の愛撫に身を任せた。
せめて、早く終わってくれれば、それだけ恥ずかしがる時間も減るはずだ。
「あーあ、あんまり抵抗されたら最後までやるつもりだったんだから」
「やめてくれよ。本当に恥ずかしいんだ……」
チッと舌打ちして呟く狼へと、最初より随分と丸くなった口調で、囁くように懇願する。
見れば、両目には微かに涙が溜まっている。こんなに純情だとは知らなかったなと、狼は感心した。
「こういう付き合いは、性欲が先行して然るべきなんだよ。
ほれ、さっさと出しちまえっ」
「あっ、あぁっ……っ」
虎の耳元に生温かい吐息を噴きかけながら、虎の子間に突き出たペニスを扱き上げる。
口ではああ言うものの、室内での行為より感度が良いじゃないかと、狼は内心驚いた。
こいつは結構恥ずかしい事に興奮する方らしい。付き合って結構立つが、新たな発見だった。
気を良くした狼は、虎の腰とペニスを掴んで、ゆっくりと壁に沿って移動しはじめる。
「お、おい……そっちぃ…行ったら…あぁ…っ」
「大通りから見えちまうかもな?」
狼が何の含みも無く言い放つと、虎は体を震わせながら俯き、ペニスはさらに硬く熱くなる。
やはり羞恥プレイがお好みのようだ。
虎が目を瞑っているのを良いことに、狼は嘘八百並べて、その羞恥心を煽る。
「うわ、今通った子供、お前の事ガン見してたぜ」
「や、やめてくれぇ…あっ、あぁんっ」
羞恥心に打ち震えながら嬌声を上げる虎に、狼は舌なめずりをしながら、手の動きにスパートをかけた。
虎は声を押し殺そうと躍起になり、それなのに嬌声は口から零れ落ち、次第に大きくなっていく。
やがて、虎の体がビクンと跳ね、狼の手の中に精液が溢れた。
緊張から解放された虎は、足の力が抜けたようでその場にへたり込む。同時に狼に向けて呟いた。
「バカ……俺恥ずかしいって……」
目に溜まった涙が零れ落ちる寸前だ。流石にやりすぎたと、狼は今さらばつの悪そうな顔をする。
とりあえず、本当のことを伝えなくては、しばらくの間機嫌を損ねそうだった。
「おまえ、途中から目ぇ瞑ってたろ。誰も見ちゃいねーよ」
慌てて周囲をキョロキョロと見回す虎を見ながら、狼は「やれやれ」と呟き、ジャケットの胸ポケットからタバコを取り出す。
一服しながら考えた、さて、どうやったら屋外でこいつにフェラチオをしてもらえるだろうか。
さっきみたいに恥ずかしがる姿がまた見たいなと。
終
竜人 レオモン 好きなもの (リクエスト) by森谷